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幻の旋律
最終話 さよならをメロディーに乗せて
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、俺が死ねばいいのかもしれないな・・
なあ・・滝沢、お前はこの会場にいるよな・・・
対決の時が来たな・・・
でも、もう少しまってくれ・・
最後にやりたかった事があるんだぜ・・・
俺は、この日のために寝る間も惜しんで練習したんだぜ・・・」

「イエス・キリストよ・・この私に、もう少しの時間を下さい・・・
父と子と聖霊と源によりて、アーメン」


木村警部は息を?んだ。

「彼の音楽に対する感覚はもはや素人ではありません。それでは、聴いて下さい・・」
幸代は元気よく言った。
幕が、開き始めるとともに演奏が始まった。

「おおおお!まさか、兄貴!今度は音楽かよ!」

賢治は、天井を見上げ優雅に弾いていた。まさに別人である。

「すげー・・・」
この時、客席は爆発していた。
「これが、俺の兄貴?深谷賢治なのか・・」
騒ぎは止まらない・・賢治は弾きながら、次のような事を冷静に考えた。
「なんで、そんなに興奮するのだよ・・俺の演奏聞こえてるのか・・その前に、クラシックを聴く姿勢がなっていない全く・・もう少し耳を澄ましてくれないものかね。これでは俺のトロイメライが台無しだ・・」

「まったくだわ・・これでは聞こえないじゃないの・・」
幸代は機嫌を損ねた。

やがて、弾き終え拍手の嵐だった。生徒、職員は大興奮だった。もちろん生徒のほとんどはその曲を知らない。観客は賢治の演奏というよりは、彼がピアノを弾いている姿事態に興奮していたからだ。

「最後の晴れ舞台だな・・ハハハ覚悟しろ・・」
滝沢はカーテンに隠れ賢治を銃口で狙った。
「後はお前を殺せば復讐は終わりだ・・・馬鹿がのん気にピアノ弾きどころでは、ないぜハハハハ」

「馬鹿野郎!何のん気にピアノ弾いてるんだよ!狙撃されるぞ!」

演奏が終わり賢治は立ち上がり、皆に笑顔で手を振っていた。
「キャー・・!深谷先生!・・」
観客は爆発していた。

「はい!静かにして下さい!先程の曲は、シューマンの代表作、トロイメライでした。クラシックは静かに耳を澄まして静かに聴くものです。いいですか?続きましての曲が最後となります。ショパン代表作、エチューNO10―3です。この曲を作曲したショパンは、このような美しい旋律もう二度と作れない・・と言った程の名曲です!」

「すごく、楽しみだわ・・・さて、あなたはこの曲をどう表現するのかしら・・」
「それでは、どうぞ・・」

皆は期待した。会場は静まりかえっていた
賢治は、俯き何か考えていた。皆はじと見つめるだけだった。

女の髪は容赦なく切られていく。美容師は真剣だった。女性の髪をこんなに短く切ったことはないからだ。完成後のイメージができないままだ。女は、鏡に映ってる自分を冷静に眺めていた。そのとき
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