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幻の旋律
第九話 加速する臨場
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した。
「何だかいつもと様子がおかしい・・いつもなら俺に嫌言を言うのだが。」
賢治はその様子に不思議がっていた。

木村警部は大牟田市役所に向かった。
「面倒だぜ!全く・・世界刑法ツアーだと・・あの警視正め・・」
「でも俺は福岡代表だぜハハハハハ」
春から海外研修に出かけるため、パスポートが必要なのである。

「あの・・戸籍謄本を発行して下さい・・・」
「しばらくお待ち下さいませ・・」
木村警部は暇つぶしに歴史資料室に行った。
そこには、大牟田の歴史上の著名人達の写真が飾ってある。三池炭鉱のコーナーに目がいった。そこには、有明沿岸の測量図、一枚の油絵があった。二人の男が夕日に背をむけ砂浜を歩いている様子が描かれている。
「やはりこの人有名人なんだな・・有明沿岸を約三00キロにわたり測量をした伝説の測量師、伊能良蔵・・」
「お待たせしました!木村様!」
「ありがとう!あの・・この人そんなに有名なんですか?」
「この人の祖先は、噂によると、あの伊能忠敬だそうです!」
「は!凄すぎる!」
「いや・・俺の祖先は、おそらく大塩平八郎だ!なんせ俺は30歳県警一年目にして警部だぜハハハハハ」
「そんな訳ないじゃないの!それにあなた自分の自慢してるの!馬鹿じゃないの・・失礼します!」
「は?役員は冗談も通じないのか!全く固い女だぜハハハハ」
木村警部は戸籍謄本を広げた。
「あれ・・なぜ俺の家族は親父と二人ではなかったのか!なぜ戸籍に4人もいる!・・」
「おい!待てよ!姉ちゃん!この戸籍でたらめじゃないか!間違えるんじゃねえよ!」
「何言ってるの!あんた役所をなめるな!」
その女性職員は興奮して去って行った。
「は?俺の旧姓だと!嘘だろ!・・・
ということは・・この油絵に描かれている、このガキと爺とは!・・」

すぐさま、有明沿岸道路工事現場に到着した。
「俺はこういう者だ!ここの責任者は何処だ・・」
「は・・・この工事は、今や国家最大規模の公共事業です。最近まで、代表は、平賀源内ですが、死亡したため・・まあ、私等は大した工事はしていないですがね・・
もうこの巨大橋の土台はすでに完成おりました・・全く凄いですよ。噂によると現場経験のない外部の人間が、完成させたようです・・一流の専門家らも驚いていましたよ・・・」
「その男の名は?」
「知りません?何か凄く若くて、刑事さんと同じ年ですかね・・よく平賀監督と夜の街に飲み歩いてたらしいですよ・・・」
木村警部は、ただ茫然と第七工事現場から海を眺めていた。
「おい・・親父・・
その男って・・俺の兄貴なのか・・・
これが真実なのか・・」

賢治はその夜、いつものバーに久しぶりに飲みに行った。カウンターに座り一人煙草をふかしている。その時だった。
「カランカ
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