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幻の旋律
第八話 時間との共有
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へ提出物をすませて。帰ろうとしたところ、賢治に気がついた。
「あ!深谷先生だ!・・」
2人は賢治に近寄って来た。
「何だよ!」
賢治は不機嫌そうに答えた。
「先生!私、先生の事ずっと好きでした。だから・・私と結婚して下さい・・」
生徒は、賢治に突然告白をしたのだ。
賢治は戸惑った。今職員室は昼食中で先生方に注目を受けていたからだ。
「俺は、一体何と答えればいい・・先生方が聴いている・・・」
この学校は特に、生徒と先生の距離には敏感である。何故ならば、過去3人の男性職員が生徒との恋愛で退職している。生徒に言い寄られて大人は悪い気がしない。理性を失う事もあるのだ。
しかし、賢治は約1秒後に答えた。
「あのな、君の気持は大変嬉しいよ。俺も若いにこしたことわない。でもな、君が後悔する・・なぜならば、俺は結婚しても、家には帰らない・・俺は自分の時間を愛してるからだハハハ」
賢治は笑いながら言った。
その言葉に、先生達は唖然としていた。
「先生、そんなこと言わないで・・この子かわいそうだよ」
厄介な連れが口出しした。
「せめて、電話番号を教えて下さい・・」
「そうか、俺の事そんなに好きならば、俺の携帯番号を当ててみろ!13桁の番号をな・・もし当たれば俺は君との運命を受け入れる・・」
「ハハハハ13桁の番号なんか当たるわけないでしょ・・先生は本当に面白いね・・そんな先生が大好きだよ!」
「ははそうか・・」
賢治は、これで終わりかと安心していた。しかし・・
「先生、話変わるけど、先生は、待鳥先生と出来てるんでしょ・・」
「は?」
賢治はこれはまずいと思った。どう返していいのか。噂が立ってるのは事実であるが。幸代も。真正面に座ってるではないか・・しかし言い返した。
「いや、違う、付き合ってはないが・・実は俺達は両思いなんだ!」
またもや職員室の先生方は仰天した。この時、耳を澄ましていな先生は誰一人としていなかった。
幸代の顔はすでに真っ赤になっていた。
その幸代の表情を見て。賢治は確信した。
「そうか、幸代・・俺の事・・ハハハ」
「この人、正気なの・・まあ、嫌ではないけど・・」
二人は目が合ってしまった。
「でもな、この学校は、職場恋愛禁止なんだ!・・だから、俺は我慢してる。どちらかが退職しないといけないからな・・ハハハハ」
「先生、面白い!」
「先生が辞めればいいんやないの・・」
「ハハハハ。そうだな・・今年でこの学校を退職するかね・・」
さすがにこの生徒の発言には職員達は驚いた。もうすでに辞表を出していたからである。
「先生、今日はここまでにしておくよ。では、失礼しました!」
2人はやっと帰って行った。

「深谷先生何言ってるのですか!冗談が行き過ぎています!」
幸代は賢治に怒鳴った。

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