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幻の旋律
第七話 真夜中の悲愴
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助手席で負傷したのがあなたの父親だったのね・・」
「なぜ、それを知っている!」
「私は、あの時、車の後部座席にいたの・・だから佐々木の顔も覚えてるわ・・
佐々木は、私らの父を狙っていた。おそらく、あなたの父を中島崖で殺したのも佐々木だわ・・・」
「私は父親の復讐を誓い佐々木に接近した!本当は殺すつもりだった・・」
「でもこの男が、証拠品を送って後は警察に任せようとね・・」
「俺も殺してやりたいぜ!だから警官になったんだ!」
木村警部は拳を握りしめた。
「でもなぜ、あの工事現場のトラックと分かったのだ・・・
このサングラス男もあの工事現場にいたのか・・」
「現場監督をしていたわ・・」
「そうだ!思い出したぞ!俺はこの男と第七工事現場で会ったことがあるぞ!・・・・・・」

「でも大した度胸だ・・二人とも・・」
「私等の父親も喜んでるかな・・」
「そうだな・・」
「でも、この男には感謝してるわ・・おかげで殺意がなくなったわ・・・・・・」
「もうこの男と連絡は取っていないのか・・」
「うん・・もう二度と会ってはいけない・・そんな気がするの・・
出会った時から、何だか危険な香りがしていたわ・・」

賢治は、いつものバーのカウンターに座りウイスキーを二杯並べた・・

「俺は、この学校で本気で改革し教育をしようと決意した・・
なぜこんなことに・・
組長・・今俺は、あなたとの出会いを恨んでいます・・
あの日、あの喫茶店に入ってしまった事を・・
あなたの分まで生きるというどころか・・
あなたと過ごした時間を恨んでいるのですよ・・
私たちの出会いは意味があったのですか・・
もしくは、天の悪戯なのか・・
俺の正体?
そんなの・・ただの教員に決まってますよ・・
しかし、俺は教育界からも抹殺された・・・

残り四ヶ月でクラスに何をしてあげられるのか・・
その前に、どう奴ら向き合っていけばいい・・」
 
賢治は気分転換するため、休暇を取り故郷に帰った。そこは人口わずか100名の小さな島である。
「高校卒業以来だな・・・」
しかし、その島はリゾート事業が進行中で、島の半分の人が出て行ったらしい。賢治の故郷もなかったのである。
「母は一体何処に行ったのか・・・一言、礼を言っておきたかったのに・・
これで、俺は完全に孤独になってしまった・・・俺の居場所なんて何処にもない・・
ところで俺は何者なんだ・・・」
賢治はこのとき酷い孤独に襲われしばらく出勤できなかった。やがて出勤しのたが職員室でも、考え込んでいた。やがて、彼の退職の噂は拡大した。特に幸代はとても見ていられなかった。職員は彼が退職する理由なんて想像もつかなかった。

「一体あなたの身に何があったの・・そんなに一人で抱え込まないで・・私は、何のた
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