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幻の旋律
第四話 伝説の測量師
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が見えないか・・」
人は皆、計り知れない莫大なエネルギーを内蔵している。でもその使い方を間違え、犯罪に走る者もいる。また、極度な心配症になり体力を消耗し病気になる者もいるだろう・・でもな、そんな使い方は実に下らない・・これらは、エネルギーの無駄使いだな。自分自身に秘められた莫大なエネルギーの存在を知り、それを何か別のエネルギーに変換できれば・・」
「変換!・・」
「すなわち、負のエネルギーを正のエネルギーに変えろということですか!」
「その通りだ!俺の場合、そのエネルギーを土木工学の学位取得にぶつけたのだ!四六時中勉強して、やがて刑務官が俺の奉仕活動を免除した!最高の環境の中、俺は独学で学位を取得した。刑務官の連中も驚いてたよ。そして刑務所を出て、有明沿岸道路建設に従事した。そして、俺の情熱と現場で磨きをかけた一流の技術で橋を架け続けた。しかし、そんな俺だったが有明沿岸道路最難関工事と言われた「中島絶壁の巨大鉄橋計画」という、最難関の工事が俺の目の前に立ちはだかったのだ。日本中から招いた一流の技術者の協力も得たが成功しなかったのだ!しかしある日、突然ある男がその第七工事現場に現れたのだ!現場経験のないはずのその男の計り知れない能力を思い知らされた!
俺達技術者は、工事の妨げとなる突風や荒波といった自然現象に戦を挑んできた。しかし逆に、その男は、そんな自然現象を操っていたのだ!いや俺には、楽しそうに自然と戯れていたようにも見えた・・・
俺は考え続けた・・
賢治・・お前は一体、何者かとな・・・」

「お前は、計り知れない才能そして美的感受性を持っている。だからこそ、とても繊細でもろいのだ・・お前みたいな奴には、俺の娘がお似合いかもしれない・・・」
「は?娘・・」
「俺は、あの日まで娘に会ったことはなかった。刑務所に入る前は妊娠していたから・・
出所して、当時、別れた妻とある条件で一度だけ会わせてもらった事があった・・・
当時、娘は高校三年生だった・・」
「条件?」
「ああ・・この子の成人までの養育費を一括で払えとな・・
まあ、今は何処にいるのかも分からないがな・・・
俺は明日、用をすませて警察に出頭するつもりだ・・
そうなれば、ますます会うことは出来ないだろう・・・
いや、もう一生会おうとも思わない・・
俺はすべてを失った・・今残った物があるとすれば、妻の形見の油絵だけだ・・・」
「組長・・・すみませんでした・・」
「お前は悪くないよ・・それどころか・・
第七工事現場、巨大鉄橋の土台を完成させた。もうあの鉄橋は完成したのと同じだ!
俺達の橋だ!・・
いや・・あれは俺達三人の橋だったな・・・」
「三人?もう一人は誰ですか・・・」
組長はほほ笑んだ。
「つい先日、お前の正体を確信したよ。しかし俺は驚かなかったよ
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