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幻の旋律
第四話 伝説の測量師
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居以来であった。

「親父、大丈夫か・・あまり一人で抱え込まないでくれよ・・」
「なあ秀長・・お前は警官になって正解だったよ・・」
「はあ・・何を言ってる?・・」
「お前は、県警で優秀らしいな・・かなり派手にやってるそうじゃないか・・
悪人を追いかけ続ける・・それがお前の使命かも知れないな・・」
「俺な、土木の学位を取ったけど・・本当は、あんたが怖くて警官になったんだ!」
「俺が怖い?・・」
「だって、有明沿岸を歩き回り測量しただろ・・全く、凡人でないぜ・・・あんたについていける奴など何処にもいない!ハハハハハ」
「全くだなハハハハ」
「そう言えば・・長男は元気にしてるかい?
でも・・測量の旅の最中、誰が面倒を見たんだ?・・」
「もちろん俺が見たよハハハ」
「何!どういうことだよ。まさか!・・」
「ハハハお前の息子はな、俺の測量に立ち合い、旅の最中で恐るべき和算を身につけおった。もう、その分野では俺の手にも負えない程だ・・
江戸の数学者、関孝和の生まれ変わりかもなハハハハ」
「なんて、おやじだ!全く・・二人にはついていけないぜ・・・」

「なあ秀長・・お前の言う通り俺達は、住む世界が違うんだ・・
そこで・・一生の頼みがある・・」
「何だよ!急に・・・」
「明日市役所に行って、お前ら三人は名前を変えろ!」
「は?俺ら三人の名前・・」
「何も聞くな・・いいか!今日から俺らは他人だ!」
「あのトラックの中には・・・
この一家を巻き込むわけにはいかない・・
特に警官であるお前には知られたくない・・
しかし、お前はいずれ事実を知り・・俺の前に現れるだろう・・」

秀長とある同僚刑事は、三池港である事件を捜索するため張り込みをしていた。
それに気がついた銀竜組の組長は佐々木に二人を射殺するよう命じたが、秀長は助かりその同僚刑事だけが殺された。その刑事とは、美香の父親、塩塚修である。

秀長はその後一人で、これらの事件を同時に追い続け、この二つの事件の関係に気がついたのだ。秀長は、良蔵を崖に呼び出した。二人は、中島絶壁に向かい合いで立っていた。

「なぜだ!親父!・・なぜ協力したのだ!」
「・・・・・・・」
「バキューン・・・」

秀長の後をつけていた佐々木は後ろからその光景を眺めていた。
「これで完全に、真実は闇の中だハハハハハ」
二人は崖から転落し死亡した。この事件の影から逃れるため二人の男子は、別々に引き取られ別々の人生を歩むこととなる。しかし長男は第七工事現場の崖から転落し謎の死を遂げている。
良蔵の死後、数年後にこの大事業の跡継ぎを決意した平賀はやがて、有明沿岸道路の建設代表に就任し有明工業の社長、金竜組の組長とまでなった。平賀は、伊能良蔵に引き継ぎ、今でも佐々木から通行料として
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