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幻の旋律
第三話 十三階段
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ょっと!どうしたの!」
美香はすぐさま救急車を呼びやがて到着、その後、聖マリア病院に連れていった。
診察を終え、医者は言った。

「お姉さんですか?かなり多量の覚せい剤の反応が見られます・・この子は今、眠ってますが・・専門医で治療が必要です。明日にでも転移させます。」

美香は、病院のロビーで、下を向いていた。
「今夜は一人ではいられないわ・・・」
何気なく賢治に電話したのだった。

「美香どうした・・今夜は変だぞ・・」
「・・・・」
美香はその高校生とのやり取りを賢治に話した。
「そうか・・・その子可哀そうだな・・今、部屋で寝てるのか・・」
「ええ・・・」
「その子、学校を退学したこと後悔してるのか・・俺も今、担任もっているがクラスにも退学した女の子がいたな。彼女はおそらく後悔していないだろう・・
でも美香は他人であるその子に、ここまでするとは、なんて優しい女なんだ・・」
「・・・・・」
「昔はいい子だったんだけどね・・今は復讐に燃えた悪女よ・・」
美香はほほ笑んだ・・
「私ね・・」
美香は穏やかな顔で、昔を振り返った。

美香は、幼い時に母をなくし、父親と二人で暮らしていた。父は刑事で、麻薬捜査官だった。仕事が忙しいため父は美香の相手をすることが出来ずに悩んでいた。

「パパ・・今日も張り込みなの・・」
「ごねんね・・」
「ねえ・・私も連れてって。おとなしく車にいるから」

こうして、張り込みを共にしたのだった。美香は幸せだった。四六時中一緒にいれるからである。
「あの人誰なの・・」
「いいんだ・・あの男の顔など忘れろ・・」

その男とは、当時、銀竜組若頭の佐々木である。現銀竜組組長である。彼は大量の麻薬を輸入していると睨んでいた。逮捕のチャンスを伺っていた。それに気がついた組員に射殺されたのだ。

「それで、佐々木に接近したのか・・」
「私は、佐々木に接近するために、デート商法の勧誘、ホステス何でもしたわ・・
私はあの人を許せない・・あの子もおそらく被害者だわ!殺してやるや!・・」
「でもその事件は時効だろ・・麻薬密売の疑いがあるのであれば知り合いの刑事に任せよう!」
「警察なんて当てにならないわ・・あなたには分からないわよ!」
「相手は、巨大組織だろ!敵うはずがない・・・佐々木との接触を今すぐやめろ!殺されるぜ・・
ところで・・その復讐に燃えたその横顔・・
魅力的でイカスぜ・・・」
「何言ってるのよハハハハハ・・」

「それより今夜は眠りな・・嫌な過去を忘れて・・」
「今夜は優しいのね・・」
美香は眠った・・

賢治は病院のロビーで目が覚めた。
美香がいない・・
「あの子のところか・・」

病院のテレビでは早朝のニュース始まっていた。

「ニ
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