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幻の旋律
第二話 闇の世界へ
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七工事現場だと・・なぜその名前を知っている!」
「・・・・・」
「ええ・・・・」
賢治は我に返った。

「まあどうでもいい・・・今度おれの事務所に来い、土木工学についてゆっくりと話がしたい・・」
「はい・・いずれ伺うことになると思います。」

組長は笑顔で帰って行った。

「どうせヤクザに捕まりたいのなら金竜組に捕まりたい・・早く俺を捕まえてくれ!」
「こいつは、俺の直感とうり、ただの数学教師ではない・・・・
こいつならあの第七工事現場を・・・その前にこいつのオーラは何だか懐かしい感覚だぜ・・・」

数日後、賢治は組に連行された・・
「組長、例の逆強迫犯が自ら出頭してきました・・・・よし、入って来い!」
「おお!出頭・・なんて大胆な奴だ!」
そこには、縦線の入ったダークスーツで身を固めサングラスをしている男が立っていた。
組長はその姿に身ぶるいした。

「おい・・・サングラスを取れ!」
「お前は!」
「ご無沙汰しております組長・・葉山商事の件どうかお許し下さい・・」
礼儀正しく一礼をし、そして再びサングラスをかけた。

「今から、例の第七工事現場に連れて行って下さい・・」

組長、一流の土木技術師の立ち合いのもと、賢治はある独創的な提案をした。このとき、賢治の構想には皆疑っていたのだった。その構想とは、従来の土木工事の手法とはかなり異なり純粋数学を巧みに操るものであったため理解できなかったのである。やがて第七工現場の現場監督に就任したのである。賢治は、橋げたの土台建設の構想はこのときすでに完成してたという。また有明工業株式会社の経営顧問として、事業拡大を図ったのだ。それは有明沿岸道路の建設資金集めのためである。
有明沿岸道路は公共事業でないため、費用は国から出るわけでない。この有明沿岸の広大な土地は有明工業の所有領地なのだ。これが完成すれば、ここの通行料で莫大な金が入ることとなる。そう賢治はそう思っていた。
今や賢治は、最も組長に近い存在となり、組員からも一目置かれた。すなわち、壮大な闇の権力を手に入れたのである。しかしその人格は、あくまでも17時00分からである。それまでは高校教員である。彼はその二面性を使い分けるため夕方からはサングラスにダークスーツを身にまとい、自分の正体を隠していた。

「待鳥先生、今日もよろしく頼むわ・・」
賢治は、当たり前のように言った。
「先生、あの子達の事どう思ってるのですか!」
「いや、別に・・俺は忙しいのだ!」
「クラスの事も考え下さい・・担任でしょ!」
「うるさいな!俺の副担任だろ!頼むわ・・」
「この人、最近変ったわ。裏で何かをしている・・」
幸代は、この学校で賢治は有一我儘が言える存在だった。

ここは、有明沿岸道路、第7工事現場、巨大鉄
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