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幻の旋律
第二話 闇の世界へ
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あろう。
「俺は、煙草を吸いながら、数学をしたいのだ!そのためにわざわざ学校を早退した。」
賢治は、迷わず部屋に入ってしまった。そして、部屋の奥のトイレの前の、席に座り、テーブル一面に計算紙を広げ始めた。その余りにも大胆な行動に対し、ヤクザ達は驚いていた。
「何だ!こいつは、俺達が怖くないのか!・・俺たちの行きつけの店に堂々と乗り込むとは・・もしくはただの馬鹿なのか?・・・」
しょうがなく会議が続いた。
「早退は、最高だぜ!今頃先生達は拘束されて、働いてるんだろな・・公務員の俺らには残業手当なんかつかないのにな・・・全く、時間の無駄だぜハハハハ」
やくざの組長らしき人物が、賢治の楽しそうな姿に関心を持ったようである。
「道路の舗装工事は順調なのか・・・・中島地区周辺の土地の回収は順調なんだろな」
「・・その件は、一部で反対運動が起こっておりまして・・警察にもマークされております慎重に事を進めないと・・」
「何だと!今頃になって・・」
組長は、幹部に灰皿を投げ付けた。
「すみません・・中島住民の説得につくします。」
「お前な、何とかしろよ!頭でも使えよ!それとも、指を詰めるか・・」
「何だか、過激な話してるな・・・まあ、俺には関係ないけどなハハハハハ・・」
賢治は、無関心だった。なぜならば、思考回路がクライマックスに入ってしまったためだ。賢治はペンを置き、目を閉じ構想の世界に入った。
「俺、トイレに行ってくるわ・・」
「オス、行ってらっしゃいませ!」
組長は、賢治の席にちかずいて来た。トイレは、賢治のテーブルの後方にあるからである。
「この兄ちゃん目をつぶって何やってるのか、お?何かの計算式?」
彼はテーブルの上に広げた計算用紙に顔をちかずけて眺めていた。
「一体、何の計算をしてるのか・・全く、興味深いぜ!」
やがて、賢治は目を開け、ペンを握ろうとした。瞼の向こうに、おっかない顔があるではないか。組長は、ここぞとばかり賢治に話しかけようとしたが、しかし賢治は、見向きもせず、もの凄い勢いで計算を始めた。
その態度に、頭にきたのであるが。
「なんだ、こいつ俺が怖くないのか・・こいつは何者だ!なんでこんな最悪の環境で勉強ができるのか・・並みはずれの集中力だな・・」
ますます興味を持った。
組長はトイレに入った。
残り5人はその一部始終を見ていた。

「あいつ、殺されるぞ・・」
幹部達は呟いていた。
賢治は無関心に計算し連続けるだけだった。その後数十分それが続いた。

「で、次の件ですが・・先日、金竜組の縄張りであるデート商法組織葉山商事が、たった一人の警官により潰されました・・・」
「何!」
「勧誘女性の話によると、誘惑した男から逆に脅迫され、ある男を誘惑し強迫しろという事です。さらに、その被害者は
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