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幻の旋律
第一話 命題の真偽
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、賢治は気にもしなかったのだ。彼女は、賢治の言う通りに行動するしかなかった。
その男とは松本博之である。美香により誘惑され、その後連れの男に脅され現金百万を恐喝されたのだった。しかし、数日後、松本の大手ゼネコン時代からの闇の付き合いである銀竜組から組員を借り、松本を脅した男達は集団リンチにあい重傷、美香も狙われたのだった。

数日後
「賢治!助けて!奴らに囲まれて身動きが取れない・・あなたも追われてるのよ!」
と、突然電話があったのだが。
「もう、お前さんには騙されないぜ・・警察にでも保護してもらいな!」
賢治は、そう一言って電話を切った。
「なんか・・ややこしい事になりそうだから、この組織を潰したほうがいいかもな・・どうせ犯罪組織だからな、存在価値なんてないぜハハハハ」
そう自分に言い聞かせ、葉山商事の情報を徹底的に集め福岡県警送る準備をした。
「さて、速達で送るか・・早く捜査してくれよな県警さんよハハハ」
このとき賢治はふと考え込んだ。ある事を思い出したようである。
「そういえばあの日・・」

賢治は一年前の春、当時、賢治のクラスは入学当時から学級崩壊しており、その約一週間後すでに病んでいた。そのときあるバーに1人で行きカウンターに座った。

「俺は、大学院で高度な数学を学び、そして教員になった。生徒に数学の楽しさを伝える為にな・・でも何だ!あのクラスは授業どころではないぜ・・・・」
賢治はそう嘆いてるそのとき、一人の男が入って来た。
やがて、その男はカウンターに座りマスターと話始めた。
何故か賢治はその男が気になり耳をすました。

「どうですか・・お客さん、勉強の調子は・・」
「ああ・・おれも30歳になってしまった。今年で受験できるのも最後だからな・・・
ずいぶんと遠回りしたが、やっとその気になったぜ!親父の顔もあるからな・・・
今年こそは合格するぜ!
まあ今年合格しても、新卒連中と8年差だから出世がかなり遅れる事になるがな・・
でも俺は頑張ってここ大牟田で昇り詰めるぜ!親父の為にもな!」
マスターは酒をつぎ始めた。

「私のおごりです・・未来の木村署長に乾杯!」
「おおお!俺は署長になるぜ!
そしてその時、大牟田署の屋上からこの寂れた大牟田市を見下すぜ!ここは俺の街だぜ!ハハハハ」

その男はどうも木村という名前らしい。
その興奮した横顔を、賢治はほほ笑みながら見ていた。

「なんて単純なんだ・・知能の低さが伺えるぜハハハハハ
だが、俺と似てきっとこの男は、大胆な奴なんだろうな・・」

この瞬間何故か賢治は、この木村に対し親近感を持ってしまった。これは、何かの導きなのかもしれない。

「あの兄ちゃん県警にいるよな・・間違いない!俺はあの時、兄ちゃんの横顔で、頑張れる気に
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