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幻の旋律
第一話 命題の真偽
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あ、始めるか!」
みんな疲れ切っていた。
「何だよ・・始めるって言ってるだろ・・」
「先生、今日はみんな疲れていて、なんか元気が出る話でもして下さいよ・・
最近先生、数学ばっかり・・つまらない」
そのクラスの学級委員長が口を開いた。
今日は特に疲れているようである。賢治は考えた。
「俺はな長い間数学を研究してきた。数学は、与えられた定理を、証明することが大事だと思っていたけど、さらに大事なことは疑う心だ!学者の論文を読んでいても間違いがある。間違いを見つけ真実を明らかにすることこそ重要なのだ・・
その昔、地球は平面構造であると誰もが信じていた。しかし、ガリレオはその地動説を否定したのだ・・やがて後に、地球は球体であることが証明されたのだ!」
賢治はイキイキしながら話した。
「そんな科学的な事実など興味ないですよ・・・日常生活で疑う場面なんかあるのですか?」
「ハハハ!その質問を待っていたよ。」
賢治は笑った。
「実はな、先週の土曜、ある女性との出会いがあったのだ!」
「は!」
疲れていたはずの全員が起き上がり注目した。期待のまなざしで賢治を見た。この瞬間こそ教員にとって大事なのだ。
「俺にも春が来たぜ!ハハハ」
クラスは爆発した。好奇心を持って聴いている。
「先生!もう付き合っているのですか?」
「まあ聴きなさい・・」
「ハーイ!」
賢治は事実をありのままに話し始めた・・・・
「実はな・・」

賢治には菅原という純粋かつ誠実な友達がいる。
2人は大牟田の繁華街で飲んでいたところに、電話が鳴った。
どうも女性らしい、菅原の、その嬉しそうな表情からそれが伺えた。
「え?今から会うの?いいよ!友達と一緒に・・」
菅原は有頂天な様子で電話を切り。
「ケンちゃん、あのね、彼女から連絡があって、今から、2対2で会いたいと・・」
「は?今23時だぜ?」
賢治は驚いた、彼も女好きだから断るはずもない、菅原もそれを承知で約束をしてしまったのである。さすがの友だけあって理解がある。
「菅原ちゃん、今夜はもり上げるバイ、ハハハ・・」
賢治もやがて上機嫌になった。
やがて、待ち合わせの店に入った。やがて菅原は彼女に気がつき
「恵美ちゃん、待たせたね・・友達連れて来たよ!」
菅原は、ニヤニヤしながら、彼女の正面に座った。
「菅原の彼女、美人ではないか・・」
賢治は驚いた。
「こんばんわ・・」
賢治の正面の女性がニコニコしながらこちらを見ている。
「おい!何て美人なんだ!・・・」
驚いた、賢治を見ている眼差しは、最高の笑顔だった。
「あ・・どうも・・・」
この瞬間、冷静さを失った賢治だったが。
「始めまして、菅原君の親友の深谷賢治です。どうぞよろしく!」
何かのスイッチが入った。四人はしばらく話
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