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俺様勇者と武闘家日記
第1部
第1部 閑話
閑話2 〜好きな食べ物〜
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わないでよ。皆で食べるとまた違うと思うよ?」
「ふん。別に人数が変わったって同じだろ」
 大家族で育ってきた私にとって、その言葉には愕然とした。そもそもユウリは大人数で食事をしたことがないのだろうか?
「そんなことないよ。それともユウリは今みたいに二人で食べる方が好き?」
「!?」
なぜか急に顔が真っ赤になるユウリ。突然ベンチから立ち上がり、
「そんなわけないだろ!! 誰がお前となんか!!」
「え?」
そう切羽詰まったような顔で言うもんだから、私は慌てて説明する。
「いや、別に私とだなんて言ってないよ。少人数で食べる方が好きなのか聞いただけで……」
ぐいっ。
「いったぁ!!」
言葉の途中でいきなり三つ編みを思い切り引っ張り上げられ、私はたまらず声をあげた。
「いきなりなにするの?!」
「うるさい黙れ。間抜け女の癖に偉そうに」
訴えもむなしく、彼はさっきとはうって変わった機嫌の悪さで私の三つ編みを引っ張り続けた。
せっかく喜んでもらえたのに、なんでいつもこうなるんだろう。私は心の中でがっくりと肩を落とした。
でも、目に焼き付いて離れないのは、お弁当を口にいれたときの嬉しそうな表情。といってもよーく目を凝らしてみないとわからないくらい少しなんだけど。
それを一瞬見られただけでも、良しとしよう。そして私は再びにやけた顔をユウリにみられ、あとで恥ずかしい思いをすることになったのだった。

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