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レーヴァティン
第二百六話 冬の進軍その七

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「突き止める必要はある」
「そうだよな」
「絶対にな」
「こうしたことは時が来ればわかるというけれど」
 淳二は腕を組み難しい顔で言ってきた。
「やっぱり早くわかることにはね」
「越したことはないな」
「わかれば」
 それでというのだ。
「それだけ早く対策を立てられるからね」
「そうなんだよな」
「だからおいら達にしても」
「ああ、調べてるけれどな」
「今のところ手掛かりはなし」
 一切というのだ。
「これがね」
「どれだけ調べてもな」
「デルフォイにもなかったしね」
「あそこも調べさせてるけれどな」
 この街は今は帝国領になっている、地中湖沿岸部にあり空船の港だけでなくこの浮島随一の図書館もあり久志もここで英雄と共にこの世界や術について学んできた。
「それでもな」
「何もわかってないというのがね」
「現実だからな」
「残念なことに」
「ローマの教皇庁にも多くの書がありまして」
 夕子も言ってきた。
「そうしてです」
「そこも調べてるけれどな」
「ですが」
「そっちでも見付かってないしな」
「はい」
 残念なことに、夕子は言葉の中にこの一言も入れて話した。
「そちらも」
「そうだよな」
「かなり多くの書を調べても」
「何処にも書いてないな」
「あの魔神については」
「海っていうからな」  
 この場所だからだとだ、久志はさらに言った。
「だからな」
「間違いなく海と関係ありますね」
「それはわかるんだよ」
 このことはというのだ。
「とりあえずな」
「そうですね」
「ああ、けれどな」
「それ以外のことはもう」
「本当に全くだからな」
「何もわかっていません」
「世界を石に変えて海に沈めた」
 久志は魔神がしたことも話した。
「相当なことだからな」
「かなりの力を持っていることは確かです」
「そうだよな」
「そのことは」
「本当にな、けれどそこまで出来るってな」
 久志は今ふと思って言った。
「魔神って一柱か」
「?それは」
 夕子は久志のその言葉にはっとして言った。
「言われますと」
「誰も一柱なんてな」
「言っていないですね」
「ああ、魔神っていってもな」
「神々である可能性もありますね」
「そうだよ、考えてみたら」
 久志はさらに言った。
「その可能性もあるな」
「そうですよね」
「だからな」
 それでというのだ。
「このこともな」
「可能性がありますね」
「そうだよな、本当にな」 
 このことはとだ、久志はさらに言った。
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