暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
地球救星計画
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の傷跡が刻まれている。だが、それでも彼女の力強い目には、あたかも炎が宿っているようにも見えた。

「そんな世界を、私は認めたくない……分かり合えない、繋がれない……そんな世界……まるで呪いみたいな世界を……!」
「ふん。呪いか。それこそがは、貴様らの繋がりから生まれたもののことではないのか? 繋がりさえなければ、永遠の秩序になるのだから」

 ブラジラは冷笑した。
 それに対し、響は拳を握る。

「人でなしには分からない……! それが、絆っていう、人間の力だってことが!」
「絆……だと……?」

 ブラジラは忌々しそうに毒づいた。

「貴様も、あの見習いどもと同じか……」

 ラ・ムーの起動音が大きくなる。

「ならば、その絆とやらも、この地球ごと破壊し尽くしてくれる! さあ、ラ・ムーよ! ネガーエンドの手始めに、あの愚かな参加者共を始末しろ!」

 ラ・ムーが、その両手を大きく広げる。無数の黄色の輪が構成する腕は、ラ・ムーが今の生物と全く違う構造なのだと語っているように見えた。
 そして何より、ラ・ムーの胸元に刻まれた紋章が、ブライの紋章と全く同じものであり、それが、ラ・ムーこそがムー大陸の象徴であることを雄弁に語っていた。

「リゲル、大丈夫か?」

 ハルトはリゲルに問いかける。
 しかし、リゲルは首を振った。

「悪いわね……これ以上の戦闘はちょっと難しいわ……」
「そっか……下がってて」
「ウィザード、貴方だって戦える状態じゃないでしょ?」

 リゲルの言葉に、ハルトは動きを止めた。
 すでに生身での戦いを余儀なくされているハルト。
 だが、その解決策は、コウスケが持っていた。
 彼はハルトの右腕を掴み、無理矢理指輪を嵌める。

「ほい、ちょっと失礼」

 コウスケはそのまま、紫の指輪を自身のビーストドライバーに差し込む。

『ドルフィン ゴー』

 イルカの魔法は、治癒能力。
 それを媒体として、ハルトの体に魔力が流れ込んでくる。

「コウスケ……お前……」

 ハルトは自らの手を見下ろしながら呟いた。全身の疲労もある程度回復しており、魔法を使うことは可能だと体が語っていた。

「悪いな。オレも万全とは言えねえからな。これで、オレたちにあとはねえ」

 コウスケはハルトの指からイルカの指輪を回収しながら言った。
 ハルトは肩をすぼめる。

「……だろうな。ちなみに、残ってた魔力、どれぐらいあんの?」
「正直体感でしかねえけど……オレとお前、変身できるのは次の一回分が限界だ」
「……」

 ハルトは口をあんぐりと開けた。だが、すぐさまにその顔は微笑になる。

「了解した。それじゃあ、今からある意味一連托生ってことで」

 ハル
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ