暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga26二人の王〜Rusylion & Alice〜
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『セラティナ、クララ!』
『シャル? どうしたの?』
シャルからの念話が入ったんだけど、かなり切羽詰まってる様子だ。私より先にクララが『なんかあった?』って聞くと、『ルシル達が現れた! そっちに向かってる!』とのこと。しかもどんな手を使ったのか、本局員の活動が停止させられてるみたい。だからルシル達は堂々と進入してきたようだ。そんな緊急事態な内容を受け、私とクララはすぐに防護服へと変身して、ルシルの襲撃に備える。
『状況は!?』
『今、わたしと八神家でルシルとアイリを追ってる! 他のみんなは、ミミルと交戦中!』
『了解!(モニターで観てたけど、ミミルさん以外は想定内だね)私はルシルを保管室へ入れないように結界を張って待機しておく!』
『早く来てよ!』
『うん! ダッシュで向かってるから! んじゃ、またあとで!』
――昇華――
シャルとの念話が切れ、私はすぐに魔術師化する。魔導師と魔術師の切り替えは簡単で、スイッチレバーをカチャッと下すようなイメージ。魔術師化すると、私の内に眠るアリスの人格が目を覚まして、普通の話とか魔術に関係するアドバイスなどなどをしてくれる。
『アリス。これから私たちは・・・』
――判ってる。ルシル様が最後の決戦に挑むために、この施設に保管されてる魔力を奪いに来る、でしょ――
『ごめん・・・』
――どうしてあなたが謝るの?・・・。個人的に言えば、ルシル様と敵対することは嫌だけど、それは
現在
(
いま
)
を生きるあなたの意思を否定する思い。それに、ルシル様にこれ以上の罪を重ねてほしくないという思いもある。だから・・・あなたの正義を、仕事を全うしてほしい――
『そう言ってもらえると助かるよ』
アリスにとってルシルは、ヨツンヘイム連合から受けた洗脳を解いてもらい、連合への復讐を否定することをせず、“アンスール”のメンバーとして迎え入れてくれた命の恩人。おかげで魔術師としての能力を高める修行をしてもらい、シエルとカノンという親友も出来て、連合の魔術師と真っ向から戦えるほどさらに強くなった。
(アリスの思いが流れてくる・・・)
ルシルの味方をしてあげたい、“テスタメント”の苦痛から解放してあげたい、シエルとカノン、それにシェフィリスの魂を解放してあげたい。アリスの、してあげたい、っていう気持ちが、私の胸をキュッと苦しめる。
「セラティナ。私はどうした方がいい?」
「え? あ、あー・・・うん、ルシルとアイリがユニゾンしていなかった場合、アイリをどっか遠くに転送して。それだけでルシルの戦力はがた落ちになると思う。もし、ユニゾンしていた場合は、シャル達の指示に従って」
「りょーかい! それじゃあ、少し姿を隠しておくね」
クララ
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