暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga26二人の王〜Rusylion & Alice〜
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に振った。

「・・・行こう。本部ビル内はわたし達の庭のようなもの。MAPは頭の中に入ってるし、目を閉じてても歩けるって――あいたっ!?」

シャルがそう言いながら駆け出したが、廊下の壁に突っ込んだようで盛大に尻もちをついた。ヴィータが「しっかりしろよな」と呆れながらも右手を差し出し、手を取ったシャルを立ち上がらせた。シャルはヴィータに礼を言いつつ尻をはたいた後、「早歩きで行けば大丈夫!なはず!」と左手を前に突き出しながら進みだした。

「ちょ、ちょう待って、シャルちゃん! アインス!」

「はい。この幻術結界は魔術ではないので、通常の魔法でも容易く破れるかと。・・・ルシルとの決戦の前にあまり魔力を消費するのは好手ではありませんが、時間稼ぎを受けていると考えればそうも言ってられません。都合がいいことに魔力量で言えば私が最強です」

私は足元にベルカ魔法陣を展開し、私の保有する魔法の中から1つを選択して準備。エルフテの展開したこの幻術結界の中心を探るように魔力の流れを読む。ベルカ式というのが幸いし、この結界を支える核は4つあることが判った。

「(ルシル・・・。私を強化しすぎたことが、お前の唯一の失策だろう)レーア・ヴェルト」

私を中心に全方位へ広がる対結界用結界魔法。広がりゆく結界の縁に押し返されるようにして、エルフテの幻術結界が解除されていく。このまま4つの核をも飲み込み、完全に結界を破壊してくれる。

†††Sideリインフォース・アインス⇒セラティナ†††

保管室へ通ずる廊下手前にある監視室で待機していた私とクララは、みんなの居るミーティングホールで行われたルシルの真実っていう、とんでもない映像をモニター越しで観ていた。クララはお茶の注がれた紙コップを落とすほどに、ルシルの真実に感情を乱されて泣きまくってた。

「セラティナ。・・・アリスっていうアンスールの結界魔術師、あれってあなたの・・・」

「うん。私の前世・・・」

“アンスール”の終焉については、以前ルシルに前世の記憶を夢として見るって言う相談をした際に聞いていたし、アリスが脱退した理由も知ってる。ただ、あくまで口頭で聞いただけだから、実際に映像として見ると私の感情も大きく乱れて泣きっぱなしだった。

(夢の中に出てきた、アンスールには居なかった桃色の神父服を着た女の子・・・。あの、マリアっていう子だったんだ)

神器王(ルシリオン)――ううん、ルシルがアリスの記憶を消したのに、私がアリスの記憶を見ることが出来るようになったのは、マリアの干渉によるものだったってことを理解した。でも、私にとっては悪い事じゃないと思える。前世の人格との共存は、結構大変なのかもしれない。アリスの記憶だって辛いものも多かった。けれど、得られるものも多かった
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