暁 〜小説投稿サイト〜
艶やかな天使の血族
1部 艶やかな天使
3話 偽物の空から降った客
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本物の空を知らない夜中、コロニーからも月が見える。今宵は満月。
 ダメだ。見てられない。
 脱出をしようとするあの女性は誰だろうか?
 いや、そんな事は後回しだ。
 彼女を助けないと。

「サッサと消えなきゃ。また肉欲の餌食になってしまう」
 
 彼女を支える紐が解ける。
 彼女が地面に叩きつけられる!
 その前に身体は動いた。 
 彼女の下敷きになった。

「イタタタッ…!私、地面に降りている」
「なんてことだ」

 思わず話してしまった。

「まさか……空から降ってくるなんて…」
「大丈夫ですか?」

 彼女を抱き止めつつ心配だからこう声をかける。
 彼女は私の姿を見て言った。

「この人は誰?月の精霊…?」
「……月には人間は住んでないけど、偽物の空から降ってきた君は本物だよ」

 落ち着ける大人の男の声。
 包み込むような佇まい。
 気品溢れたスーツの男性。
 何より妖しく美しく輝くあの銀髪は忘れられない。忘れられないよ。

 私はこの人は天使に見えた。
 助けてくれた人はあのジオン公国の制服を着てない。だけど、この人が屋敷で話されていた『裏切りの天使』。
 エリオット・レムさんだと思っていた。
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