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それから 本町絢と水島基は  結末
第四章
4-?
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 11月初めの土日と大学祭がある。各クラブや有志の模擬店が校内に並ぶ。水泳部は、毎年ヨーヨー釣りをやっていたが、今年は慎二の強い提案があって、豚バラ串を焼いて売ることになった。

 提案者の慎二は、殆どの準備を押し付けられた形になって、僕も手伝わない訳にもいかず、2週間前位から段取りに追われた。一番問題は、赤字にならないかだった。どれぐらい売れるのかも見当がつかなかったけど、慎二は気楽に、「余ってもみんなで食べればいいし、他のクラブの連中に頼み込むよ それより、足らなくなったらどうしょうか」と算段していた。

 慎二の行きつけで、校門の近くの潮食堂に、肉の仕入を頼んでいて、前日の夜、閉店後に同期の4人が集められた。肉を串刺しの大きさに切り揃えるためだ。タレに漬け込んで、そのまま、翌日まで冷蔵庫で保管もしてくれるという。慎二の厚かましさと憎めない性格のせいか、店の親父さんが、とても協力してくれている。ガスのやきとり用のコンロも貸してくれた。炭を使う予定が、許可が出なかったのだ。困っている僕らを見て、店の親父さんが知り合いに借りてくれたのだ。

 当日、僕らは朝早くから、テントを立てて、串に肉を刺して準備した。呼び込みは慎二、女の子は肉を刺し続ける、焼き手は僕、それ以外に男子の先輩が売り手・お金の扱い、女子の先輩は呼び込みだ。開始前に、プロパンの店の人が、もう一台コンロを持ってきてくれた。潮食堂の親父さんに、足らないだろうからと頼まれたという。ありがたかった。

 人が段々と増え始めたが、全く売れなかった。綿菓子とかアイスクリームの店は並んでいるのに。しかし、昼が近づいてきた頃、慎二が、コンロにタレを投げ込み、匂いを団扇であおぎだしたら、徐々に売れ出して、そのうち、列が出来るようになってきた。慎二は、調子に乗って、小さく切ったものを試食用に持って、呼び込みをし出したから、余計に並ぶ人が増えてきた。美波が、僕を見かねて、応援に入ってくれた。そういうのは、気が利く女の子だ。

 僕は、慎二に感心していた。次から、次と行動に移す。考えているのか、ひらめきなのか。早々と用意したものを売り切った。用意した肉の6割がなくなった。残りは、翌日分だから予定通りだった。

 反省会と明日の準備を兼ねて、「潮食堂」に同期の4人が集まっていた。慎二は機嫌良かった。

「ご苦労さんでした。モトシも熱いところ、ご苦労様でした。まぁ、しょっぱなは不安だっけどな
順調に売れ出してホッとしたよ 明日も頑張ろうな」と、慎二は、ここの親父さんにも頭を下げていた。

「明日は、俺も焼くよ 大変だろう 煙いしな 美波も助かったよ」と慎二は気遣ってた

「そうだよ 慎二は前に出ていって、女の子にばっかり声かけて、私等、裏方は大変だったんだから」

「すまんのぅー
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