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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga25再臨〜Final phase〜
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はそう言うけど、私たちはもう完全に受け入れてる。だから、ルシル君が悪い事をしていると理解していても、どうしても何とかしてあげたい、って気持ちが生まれてくる。“アンスール”時代、つまり人だった頃から戦場で過ごしたルシル君は、家族も友達も恋人も喪って、最後は“エグリゴリ”によって自分すらも喪いそうになったし、その危機からはまだ脱してない。
“テスタメント”になってからも、神様なんていう肩書より奴隷の方がふさわしいような形でいろんな世界に呼び出されて、作ったり壊したり、生んだり殺したり、さらには殺されることが前提だった契約も何度かあった。それを約2万年も続けて、ルシル君の心が壊れなかったことは奇跡に近い。
『じゃあ、クロノはどうするつもりなの? 僕、ルシルをどうにかしたいとは思わない。出来ることなら、保管室にあるすべての魔力保有物を差し出したいくらいだ』
『馬鹿を言うな、ユーノ』
「じゃあなに? ルシルを徹底的に敵として処理するってこと? わたしは賛同できない。わたしも、シャルロッテ様も、ルシルに感謝してる。ルシルがいてくれたから、今ここにわたしが在る。その恩を返したい」
「私も、シャルに賛成。私が蘇ったのって、間接的に言えばルシルがこの世界に居てくれたからだしね」
「あたしやすずかが魔導師になれたのって、マリアさんが介入してくれたからなんでしょ?」
「向こうの世界の私とアリサちゃん、魔導師じゃないからなのはちゃん達となかなか逢えなかったみたいだし。そう考えると、ルシル君のおかげだよね」
「あたしのお母さんや、ティアナのお兄さんが死なずに済んだのも、ルシルさんが関係してるんだよね?」
「ええ」
シャルちゃん達がルシル君を敵とする考えを持ってるクロノ君に反論しだした。もちろん私だって、友達のルシル君とは敵対したくないし、事情を知ってしまった今は積極的に協力したいとは思う。だけど、局員としての私の葛藤もあるわけで。シャルちゃん達だって理解はしてるはず。感情と理性で、感情が勝ってる状況だ。
『僕だって力になりたいさ。だから、ルシルに魔力保有物を力ずくで奪われるのではなく、こちらからの許可を出したうえで魔力だけを持って行ってもらうようにする』
『それには賛成するけど、魔力を保有しているからこそ貴重な物もあるんだけど、どうする?』
『・・・その辺りは、ルシルに頼み込んで除外してもらうほかないだろう。だが、これにはえらく時間が掛かる。ディアーチェ。最終フェイズの開始まではあとどれくらいなんだ?』
「もうさほどは残っておらん。30分もせずに攻めくるぞ」
「たった30分・・・! クロノ、間に合う?」
『・・・君たちで時間を稼いでくれ。申請はこの会話と並列して行っている。必ず許可を出させる。
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