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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
第26層ボス戦
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スカの姿もある。
各々が今持てる最大威力のソードスキルを叩き込み、色とりどりのライトエフェクトをまき散らしながら、ボスのHPが恐ろしい勢いで削られて、一気に2割近くが消滅。
硬直から抜け出したボスが一方的に攻撃を加えられる事への怒りからか、再度ボス部屋を震わすほどの絶叫を喉から迸らせる。
だが、

「A、B、E隊はスイッチしてタゲを取れ! HPの減った者は下がってポーションで回復!」

絶叫をかき消すような、凛としたアスカの声がボス部屋に響く。
指示通りにプレイヤー達が動く。
ボスの怒りも、荒れ狂う様もアスカの前では何の意味も成していなかった。

ボス部屋の最後方まで下がったキリトとクラインはポーションを煽り、レモンジュースのような味のする液体を一気に飲み干す。
ゆっくりと回復していくHPバーを視界の端で確認しながら、クラインと短いやり取りをする。

「いけそうだな」
「ああ、イエローゾーンに入ったプレイヤーすら1人もいない。後10分もあれば、倒せるだろ」
「だな。こりゃあ、アスカのおかげだぜ」

クラインの言葉は正しい。
今日のボス戦、間違いなく一番の貢献者はアスカだ。
今までもその恐ろしく鋭く正確な細剣の技術にてボス戦で活躍してきていたアスカだが、今日は今までの比ではない。
アスカの戦況把握能力や指示の出し方、つまりレイドパーティーのリーダーとしての能力が異常に高い。

前衛でダメージディーラーを担当して攻撃することしか能のないキリトが言えば失礼かもしれないが、第1層でレイドパーティーのリーダーに任ぜられていたディアベルに比べれば、お世辞にもキバオウやリンドの指揮能力は高いとは言えなかった。
ディアベルほどの指揮能力を持った者が少ないと言えば、それまでの話ではあるのだが、他に適任者がいるのではないか、と思っていたのも偽らざる事実。
その点、アスカはディアベルと同等の指揮能力で場の統制を計っていた。

「毒ブレスが来るぞ! 対毒スキルが高い奴はそのまま張り付いて攻撃! 他は下がれ!」

アスカの指示でダメージディーラーは殆どが下がり、タンクプレイヤーとして対毒スキルを上げているプレイヤーはそのままボスの体に接近していく。
首を大きく下げたボスの口から今度は濃い紫色の煙が吐き出される。
はき出された煙はボスの周りを霧状になって覆う。
先ほどの炎や雷のブレスに比べれば、射程も短いし、たいしたダメージも受けないが、状態異常ステータスとして〈毒〉をもらうと、一定時間ごとにかなりの量のHPが奪われていくから厄介である。
だが、3つもの属性のブレスを使ってくるので、1つ1つの属性の効果はボスにしては低く設定されている。
対毒ポーションを飲まなくても、タンクプレイヤーで対毒スキルを上げているプレイヤーは
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