アインクラッド編
第26層ボス戦
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は“荒れ狂う番犬”。見た目は紛う事なきケルベロスそのもの。
全長7,8メートル、高さ3メートルほど。
4足歩行型なので得物は使ってこないが、首の上の3首からはそれぞれ別の属性―――雷、炎、毒のブレスを吐いてくる。
しかし攻撃力は侮れないものだが、防御力に関してはたいしたことがなく、偵察の時に10分で1段のHPバーを消すことが出来たらしい。
その他にもボスの前足による横薙ぎ、踏みつけや尻尾による広範囲攻撃。更にブレスの属性や方向の察知の仕方まで。
〈鼠のアルゴ〉の攻略本に勝るとも劣らない分かりやすく、詳しい情報だった。
そのままの流れでアスカがパーティーの編成を指示、分担を決めていった。
基本的にはボス偵察を行ったギルドがパーティー編成を行うので、別にアスカが指示を飛ばすのは何の問題もないが、キリトは今まで自分と同じくぼっちのソロプレイヤーをしていたアスカに編成作業などできるのか、と思ったら、びっくりするぐらい完璧な配置を一瞬で作り上げた。
ホントにこいつ半年前までパーティーメンバーの名前すら確認できなかった超初心者ネットゲーマーか、とキリトは疑問を浮かべずにはいられなかった。
もう1つの疑問といえば、自らの手で〈血盟騎士団〉を作り上げたであろう張本人、ヒースクリフはずっと後方に控えていたことくらいだが、そこは彼なりのギルドリーダーの理想というものがあるのだろう。
結局、その後たったの1時間ほどで、ボス攻略会議は問題なく終了した。
キリトだけでなく、クラインやエギルもアスカに聞きたいことが山ほどあったが、アスカは会議が終了するやいなや、ギルドメンバーと共に颯爽と酒場から去ってしまい、声を掛ける暇がなかった。
そしてそのまま話をする機会がないまま、次の日である今日、〈血盟騎士団〉率いるレイドパーティーは第26層ボス戦の幕を開けた。
HPバーが最後の1段となって、ボスの体色が黒から赤の混ざった褐色に変化した。
バーサーク状態だ。どのボスも追い詰められるとこの状態に陥り、攻撃力が上がるだけでなく、攻撃パターンまで変化する。
ボスの3首が同時に真上まで仰け反る。ブレスを吐く前のプレモーションだが、同時に3方向同時に行ってくるのはこれが初めて。
ブレスの属性は、仰け反り体制の時の首の傾く角度で分かる。
ほとんど仰け反らなければ雷、真上までなら炎、そしてほぼ真後ろまで下げれば毒。
つまり、今ボスが放とうとしているのは――――
「炎ブレスが来るぞ! C、D、G隊、下がれ!!」
後ろから全体の指揮を執っているアスカの指示が飛ぶ。
炎属性のブレスは状態異常に掛けられる可能性はないが、一番威力が高く、範囲も広い。
ノーダメージで避けるためには初動で判断して全力で後退する必要がある。
アスカの声が
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