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それから 本町絢と水島基は  結末
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 新神戸から歩いても良かったけど、日差しが強いので、絢が嫌って、三宮まではバスに乗った。そこからは、ぶらぶらと歩いて、中華街には1時過ぎに着いた。有名な持ち帰り豚まんの店も並んでいる人が多かったので、結局、小籠包目当ての店で並んで、立ち食いだけど、なんとかお店の中で食べることが出来た。僕だけ、ワンタンラーメンも頼んだけど、絢は、普段からあんまり食べないのかもしれない。
 
 北野坂からパンの焼き上げの香り嗅ぎながら、トーマス坂を登って行った。汗だくになって、絢はバッグからタオルを取り出して、渡してくれた。首に巻くと、絢のあの柑橘系の香りがして、僕は、花火の夜のことがかすめた。絢は、自分では頭からかぶって

「帽子被ってくればよかった。髪の毛長いのって、こういうの暑苦しいんだ」

「でも、普段は女の子らしくって良いからね」と、僕は、もう一度絢の手をつなぎ直した。

 坂の途中で、手作りのアクセサリーの店の前で、絢は目を止めた。僕も目を止めていた。僕は、リボンのペンダントを見ていて、今日の絢の耳には、お兄さんから貰ったというリボンをモチーフにしたイアリングをしていたから。でも、絢が見ていたのは、小さな蝶々が付いたネックレスだった。

「買ってあげるよ 襟元が寂しいから」

「えっ ウチにこうてくれるん!  うれしーい」

 風見鶏の館の前の石段に、ふたりでジュースを飲みながら、疲れたと座っていたら、絢に電話がかかってきて、お母さんかららしかった

「ウン 8時頃・・・あんまり、ぎょーさん食べられへんでー・・・帰ったら話すわ」

 家でも、帰って来るのを、お母さんも楽しみにしているんだろう。あんまり、僕と一緒に居るのはナァと僕は思っていた。まだ、夏休みの間は会うことが出来るし

「そろそろ、帰ろうか」と言うと「もう少し、一緒に居たい」と返してきて

「今、こうやってモト君と居て、とっても楽しいんだけど、去年の今頃はウチすごく悩んでいたんだ。苦しくって、誰も相談する人居なくって。 モト君はウチのこと嫌いになったんじゃぁないんかなとか、いづみちゃんのことも疑っていたし、他の女の子と付き合っているんカナとか でも、田中大樹君が言ってくれた言葉を信じて、あなたを追いかけようと決心したの 小さい頃、ウチなぁ 男の子嫌いやってん でも、モト君は最初から違った 優しかったし それでナ、モト君がウチを嫌っていてもかまわへんわ 自分で決めたんやから前に進もぅって 良かった 本当に今は幸せって感じているの ありがとう モト君 本当に好きや」

「絢 僕だって 昔から何かで結ばれていたんだって すごく努力してくれていたんだね そんなに苦しんでいたなんて知らなかった ごめんね、あの頃、僕は勇気がなかったと思う。離れて、初めて、絢のこと気づい
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