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机の上には、大皿にクロダイと言っていたが、姿造りとその他の色んな刺身、桶に入ったチラシ寿司、魚の煮つけなんかも乗っていた。奥の座敷には、美波の家族が座っていた。
「おばあさん、お父さんとお母さん、妹の渚、高校の2年生なんだ」と美波が紹介した
「よう、来んしゃった 美波とこれからも仲良くしてやってくんしやい」
「こいつは、自分を女と思っちょらんし、男友達が出来ても男と扱わんから、すぐに分かれよるでな。うちは女二人じゃけ、早う男を連れてこいやと思っちよるんやが」
とお父さんは、早々と一升瓶を片手に飲み始めていた。
「おとやん、余計なこつ 言うな」と美波は「聞かんでいいで、食べよ」とチラシをよそって、みんなに配っていた。さすがに、新鮮な刺身とか海藻はおいしい。お父さんが、今朝捕ってきたものだと言っていた。 葵が唐突に、僕に向かって
「ねぇ もとし 入学してすぐに、会館の前で、女の子を抱いていたって話、ほんと?」
すると、慎二が口をはさんできて
「そーなんだよ 俺は、もとしの後ろの方を少し離れて、歓迎会の酒で頭が痛いと思って歩いていたんだけど、ふと見ると、もとしが可愛らしい女の子を抱きしめていたんだよ。その女の子が絢ちゃんでな、後でいきさつを聞いたんだけど、これが、ドラマでなぁー」
美波も、それを聞いて
「私も、そのいきさつ聞きたい。聞かせてよお願い」
僕は、渋っていたんだが、慎二か゛
「話せよー このふたりに、女が男に本当に惚れるというのは、こういうことなんだよって教えてやればー」
仕方ないので、僕は、絢との今までのことを話して
「絢と僕は、何かで繋がっていたんだと思う。あの時、僕は絢を見つけた時、もう離さないと、思わず抱きしめていたんだ」
「すごわね ふたり仲良いもんね。本町さんって、授業中でも、先生の方を真っ直ぐに見て真剣なのよ。私から見ても、キリリとしていて芯が強そうで、かなわないとなと思う」
と葵が言っていたが、彼女は教育学部だから、外国語とか専門的な講義は、絢と同じクラスなので、それなりに知っているらしい。
「でも、絢ちゃんて、話すと気さくで、いい娘だよ。俺らにもすぐ打ち解けたし。何にでも、真っ直ぐなんだよ、絢ちゃんは・・ナァ、もとし」と慎二はカバーしていた。
「羨ましいわよねぇー」と、ふたりで声を合わせていたら、慎二も
「まぁ 葵でも無理だし、美波みたいに、サバサバして色気もないような奴にはもっと無理だなー」
「なによー 慎二だって、もとし みたいな繊細なとこ、全然無いじゃぁない。さっきだって、海の中で私のオッパイ触っちょったって平気な顔して・・」
「あっ 俺 あの時、石にぶつかったんかなって思って・・」
その
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