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街に戻ってきて、私は、晩御飯も食べようよって
「モト君、お願い、ウチな ラーメン屋さん行ったことないんよ 連れてって―」
「えー そうなんや 家でとか友達とかで行ったことないの?」
「うん 学校帰りは禁止されていたし、お母さんがたまに作ってくれたけど、今まで、2、3回しか、食べたことないねん 会社の人も、駅前の中華のお店、焼飯はうまいけどラーメンはなぁー って言っていたしな」
「ふーん やっぱり、絢はお嬢さんなんやなぁ」
「そんなことないわー なぁ 行こー とんこつ食べてみたいねん」
ふたりで、カウンター席に座っていた、私、初めての経験。モト君は、炒飯も頼んでいたから、食べている途中で「食べる?」って、お皿ごと私の前に差し出してくれた。私、そのまま2口ほど口に入れて、戻したら、何でもなくモト君は、又、食べていた。普通に、こんなことが私達出来るようになったんだと、うれしかった。
「送って行くよ」と店を出たあとモト君が言ってくれたけど
「うぅん 大丈夫 歩いてもそんなに遠く無いし モト君の方が遠いし、ここでええわ それより、少し膝曲げて低くなってくんない?」
「えー こうかぁ」
私、低くなったモト君のほっぺにチュッとして
「今日は楽しかったわ ありがとー じゃぁまた明日ね」
- - - - - - - - - - ☆ ☆ ☆ - - - - - - - - - -
家に帰えると、お姉ちゃんは流しで洗い物していた。
「ただいまー あっ 着替えてきて手伝うね」
「いいわよ それよりどうだった? ちぃーとこっちに来なさい。男の臭いが移ってないか、確かめてあげるから」
「そんなぁの いやだ、恥ずかしいよ、お姉ちゃん 私、そんなことしてないもの・・」
「何にも言ってないよー さては あやしいぞ 絢」
私、危ないから無視して、リビングでくつろいでいるおじさんとおばさんに、ただいまの挨拶にいった。
「おかえり 楽しかったみたいね すぐ、先にお風呂入りなさい お父さんが先に入れって、たまには若いおなごのエキスが残っちょるのがいいって、いやらしいこと言っとるよ」
「そんなぁ・・ すみません じゃぁ、失礼してお先にいただきます」
今日のことは、お姉ちゃんにも黙っておこうと思った。大切な想い出だもの
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