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大阪の竜宮童子
第四章

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「お金も入ってね」
「それで、ですか」
「お金儲けも出来ているんですか」
「そうなんですね」
「そうなの。この子がいてくれたら」
 その竜宮童子がというのだ。
「次から次にいいことがあるのよ」
「座敷童と同じですね」 
 英子はここまで聞いてこう思った。
「つまりは」
「そう、言うならね」 
 まさにとだ、老婆は英子に答えた。
「私達大人にも見えるけれどね」
「座敷童は子供にしか見えないんですよね」
「そう言われているわね、けれどこの子はね」
「大人にも見える」
「そうした子なのよ」
「そうなんですね」
「何でもこの子を邪険にして追い出したら」
 老婆はその場合も話した。
「幸せが逃げていくそうよ」
「ああ、汚いからといってですね」 
 奈々は今も鼻水を垂らしている竜宮童子を見て察した、服も身体もお世辞にも奇麗とは言えないものだ。
「それで、ですね」
「そう言ってね」
「そういうことですね」
「まあ外見が悪いからって誰かを追い出す人なら」
 透はこの話を聞いて彼女の考えを述べた。
「幸せが訪れないですね」
「そうなるわね」
「そんな人は」
「私もそう思うわ。お風呂にも入ってくれるし」
 老婆は竜宮童子のその話もした。
「鼻水を垂らしてるだけでね」
「汚くないですか」
「この子は」
「そうなんですね」
「だからうちの家はこれからもね」
 三人にその子を見つつにこりとして話した。
「この子と一緒よ」
「おいらもずっといたいよ」
 竜宮童子自身も言った。
「追い出されるまで一緒にいるよ」
「私はお金儲けが上手じゃないの」 
 老婆は三人が聞きたかった話の種明かしもした。
「この子が幸せをもたらしてくれるの」
「そういうことですね」
「わかりました」
「お婆さんのことが」
 三人は老婆の言葉に頷いた、そして後は何でもない世間話をしてだった。
 三人は老婆と竜宮童子に別れの言葉を告げて彼女達の部屋を後にした、そうして帰路につき。
 三人で駅まで歩きつつ話した。
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