第二章
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「学校じゃ派手なのに」
「私服は地味ね」
「どうもね」
三人で言い合った、そして。
ここでだ、英子はこう言った。
「制服は派手だけれど私服は動きやすいのがいいから」
「私は涼しいから」
奈々も言ってきた。
「暑いの苦手で。あと露出は怖いし」
「これが一番楽だから」
透は自分の服を見回して述べた。
「それでなの」
「三人共実は、ってことかしらね」
英子は笑って述べた。
「要するにね」
「そうよね」
「学校では派手でも」
「その実はね」
「私服に素顔出るのかしらね」
「案外ね」
三人で笑って話した、そしてだった。
英子の案内で三人は飛田のある場所に向かった、そこは何処からというと。
ごく普通のマンションだった、それこそ大阪どころかどの街にもありそうなものだった。透はそのマンションを見上げて英子に問うた。
「あの、ちょっと」
「ええ、お金儲けが上手ってね」
英子もそのマンションを見上げつつ答えた。
「あまりね」
「思えないわよね」
「普通のマンションだから」
それでというのだ。
「どう見ても」
「お金儲けが上手なら」
奈々も言った。
「豪邸とかタワマンでしょ」
「住むところはね」
「だからね」
それでというのだ。
「ちょっとね」
「これはね」
「どういうことかしら」
「まあ兎も角中に入ろう」
マンションの中にとだ、透はいぶかしみ続けつつも述べた。
「お婆さんのお部屋わかってるわね」
「その人に直接アポ取ってね」
そしてとだ、英子は答えた。
「実は私のひいお祖母ちゃんの知り合いで」
「それでなの」
「直接なの」
「お話して」
そうしてというのだ。
「お話聞かせてもらうことにしたの」
「そうなのね」
「じゃあ今からなのね」
「お部屋わかってるから」
「お邪魔するのね」
「そうするわ、来て。しかし私もマンションって聞いてたけれど」
それでもともだ、英子は言った。
「タワーマンションとね」
「思ってたのね」
「立派な」
「そうだったのよ」
こう二人に話した。
「だから私も驚いてるけれど」
「まあそれはそれでね」
「中に入りましょう」
奈々と透は英子に言ってだった。
三人でマンションの中に入った、セキュリティも普通でマンションの中も至って普通のものであった。
部屋は二階の三号室でチャイムを鳴らすと。
どうぞという声がして中に入るとだった。
ごく普通の老婆だった、九十位の穏やかな顔立ちで服もだ。だが話を聞くとその資産はどういったものかというと。
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