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Fate/WizarDragonknight
”エガオノキミへ”
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た。

「……っ!」

 痛みで歪んだ美森の顔。
 背けたい。決して背けてはならない。
 もたれかかる美森を、友奈は抱き留めた。

「友奈ちゃん……!」
「東郷さん!」

 美森の顔が近くになる。彼女の顔に、涙が走った跡が残っていた。

「私は、何度でも! 生き死にを繰り返しても! 東郷さんも、どこかの誰かも! 助けるために! ……でも……っ!」

 桜が、吹雪となる。

「どれだけ傷ついても、私は東郷さんのことを、置いて行ったりしないよ! この世界に来てからも、東郷さんのことを忘れたことなんてない!」
「嘘……嘘っ……!」

 頬の後には、さらに川が流れる。

「私を置いていったくせに……! 友奈ちゃんだけは、どこにもいなかったくせに……!」
「……」

 美森が破壊した粉塵たちは、やがて高度を下げていく。友奈たちがいる美森の方舟には、軌道音の他、彼女の嗚咽だけしか聞こえなかった。

「なんで……なんで……なんで一緒にいてくれないの……!? 私が……」

 美森は、友奈の胸元に顔を埋める。彼女の鼓動___それが自身の記憶の再現でも、本物と寸分変わらない___が伝わってくる。

「私が、壊しちゃったから!? 四国を……みんなの世界を……!」
「……」

 その言葉に、口を閉ざした友奈。数秒固まった友奈は、そのまま美森を抱きしめた。

「違うよ。あの時……神樹様の結界が壊れて、バーテックスがやってきて、何もかもが終わったとき、願っちゃったんだよ。私……」

 友奈は天を仰いだ。ムー大陸の遺跡、その暗い天井。その遥か先にある空を。
 四国にいた時と、何一つ変わらない空を。

「また、皆で……樹ちゃん、風先輩、夏凛ちゃんと……東郷さんと、一緒にいられたらなって」
「願った……?」
「そしたら、気付いたら、こっちの世界にいて……何か、変な願いを叶えるための戦いに参加させられちゃって……。でもさ」

 友奈は美森を抱いていた手を放す。肩を掴みながら、静かに拳を開け閉めする。

「この世界……私達の世界と同じで、何も知らない人たちが、あり得ない危険に晒されて。それで、勇者の力はあったから、誰かを守れる。……守り続けられる。でもね」

 友奈は改めて、美森の体を抱擁する。徐々に体の輪郭がぼやけていくが、その中で彼女は確かに友奈にしがみついていた。

「大丈夫。もう、置いて行かないから」
「友奈ちゃん……」
「私もすぐにそっちに行くから。だから、風先輩に樹ちゃん、夏凛ちゃんにも伝えておいて」
「いや……」
「大丈夫。またこうして隣同士いられたんだから。私、本当はとっても嬉しかったんだよ? だから、きっと大丈夫。私も、少ししたら、もう離さないから」
「友奈……ちゃん
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