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Fate/WizarDragonknight
芸術は爆発だ
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 ナンパ。
 男性が見知らぬ女性に対して行う、ひと時をこれから過ごす、これから夜遊びに出かける誘いを行う行為のこと。
 これまで、結城友奈はそうした声をかけられたことは皆無ではなかった。もっとも、当時は勇者部の活動を優先していたり、何より親友が友奈に近づく男たちを追い払っていた(車椅子で)ので、発展することはなかった。
 だが、それが行われるのは、主に繁華街などの町中である。少なくとも。

 ムー大陸のような神秘の古代遺跡で発生するのはまずないはずである。

「へへへ。俺、渋井丸拓男(しぶいまるたくお)。略してシブタク。付き合ってよ、素敵なおねーさん」

 そう言って、サングラスをずらした、出っ歯と無精ひげが特徴の男。
 バイクに乗ったまま、友奈に話しかけてきた彼のこの行為は、間違いなくナンパである。

「ええ?」

 困った顔で頬をかく友奈。だが、なぜかこのシブタクなる人物は、友奈に「へっへ」と近づい来る。

「いやあ、ちょっと困るかな?」
「そんなこと言わないでよお。いきなりこんなところに来て、俺、ちょっと心細いのぉ」
「いきなり……」

 その時、友奈ははっとしてナンパ男シブタクの手を見下ろす。

「んん? これ、カッコイイだろ?」

 シブタクはそう言って、右手の黒い紋様___令呪を見せつける。

「男の勲章って奴でさぁ。この前いつの間にか付いていたんだよ。イカスだろ?」
「いつの間にか? もしかして」

 友奈はシブタクの令呪が付いた手を掴む。
 シブタクは「うおぉ!?」という声を上げたが、それを無視して凝視した。

「サーヴァントはまだいないの!?」
「さ、サバ? 俺サバ嫌いなんだけど」
「……あれ?」

 友奈は首を傾げた。

「サーヴァント。ほら、聖杯戦争の」
「ななな、なんだ? 聖杯? 酒でも飲むの? 未成年なのに、ロックだねえ」

 シブタクは目を白黒させた。その様子から、本当に知らないのだろうかと疑問を持つ。

「ねえ、この印のこと、何も聞いていないの?」
「聞いてない? おいおい、お嬢ちゃん。勘違いしちゃいけねえなあ。コイツは俺が、漢の中の漢だっつう……」
「監督役! 出てきてくれないかな!?」
「おい無視かよ!?」

 シブタクの声を無視しながら声を張り上げると、それは現れた。

『はいはい。全く、君たちは本当にすぐ苦情を入れてくるね』
「うわっ!? なんだこいつ!?」

 シブタクのバイクに飛び乗った、白とピンクの小動物。動かない表情をこちらに向けながら、脳内に直接言葉を伝えてくるそれに、友奈は少し驚きながら言った。

「ち、直接会うのは初めて、だよね? えっと……」

 友奈は、首を傾げる。

「確か前可奈美ち
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