芸術は爆発だ
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。だが、もう美森は耳を貸さない。
「どうして? どうしてなの? 私は、バングレイから離れられないのよ。分かるでしょ?」
「……うん。でも、皆を守らなくちゃ」
「どうして? どうしてなの!?」
「分かるでしょ? 東郷さんなら」
「勇者だから?」
首を縦に振った。
すると、美森は嘆き交じりに叫んだ。
「勇者部だから!? そのために、友奈ちゃんは死んだ後でもそんな辛い戦いを続けるというの!?」
「うん」
「友奈ちゃん……」
強く睨む美森。彼女はやがて、
立ち上がった。
「東郷さん……!?」
「友奈ちゃん貴方が、まだ人のために戦うなら、まだ死してなお勇者を続けるのなら! 私が、友奈ちゃんを止める。勇者システムを奪う!」
美森は、そのスマホを手に、宣言していた。
それを見ながら、友奈は静かに頷いた。
「うん。……東郷さん、きっとこうなるって思ってたよ」
友奈もスマホを取り出す。
「本物じゃないってわかってる。でも……少しだけでも、東郷さんとお話できて、嬉しかったよ」
「私は全然嬉しくない! 友奈ちゃんが辛いだけ……こんなの、全然良くない!」
「私だけじゃないよ。皆、辛いはずだよ」
「友奈ちゃんが辛い思いをする理由なんてない! これ以上、友奈ちゃんを戦わせない……! 私が、友奈ちゃんを止める!」
そして。
本来、決して敵対することのない二人の勇者は。
互いへ駆けだし。
桜とアサガオの花びらを散らし。
「東郷さああああああああああん!」
「友奈ちゃあああああああああん!」
変身した。
それぞれを、倒すための力をもって。
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