芸術は爆発だ
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ゃんから聞いたんだけど……えっと……そう! ジュゥべえ!」
『僕はキュゥべえだよ』
妖精、キュゥべえはにこりともせずに友奈を見上げる。
『確かに、召喚の場面には立ち会ったけど、直接会うのは初めてだね。君……というより、セイヴァークラスの監督役のキュゥべえだよ。それで君は……』
キュゥべえは、静かにシブタクを見つめる。
シブタクは「な、なんだよ?」と目を白黒している。
『どうやら彼にはまだサーヴァントはいないようだ。今のうちに始末した方がいいと思うよ?』
「本当に人の気持ちを理解しないんだね」
友奈はむっとして、シブタクに向き直る。
「いい? これは、令呪っていって、危険な……」
「みぃーつけた。……うん」
だが、その途中で友奈の言葉は遮られた。
振り向くと、ムー大陸の遺跡。その壁の一か所に、それはいた。
「二人。ねえ?」
壁に開いた大きな穴。通路が途中で切られてしまったのであろうと推測できるところ。そこに、金髪の男がいた。
左目を長い前髪が隠し、黒い衣をまとった男。彼はにやりと笑みながら、友奈とシブタク、そしてキュゥべえを見る。
「何だァ? 監督役だって暇じゃねえんだから、そうやって質問攻めにするのはよくないだろ? うん」
「えっと……誰?」
友奈の疑問に、男は肩を震わせる。
「何、オイラはただのサーヴァントだ。ちっくらこの芸術センスのねえ大陸をエンジョイしてるだけだ。うん」
「エンジョイ?」
友奈は首を傾げる。だが、彼はそれを聞かずに、懐より何かを取り出した。
「何あれ?」
「何。ちょっとした、お近づきの印だ。うん」
彼は友奈の前に飛び降りる。
「オイラは芸術家でな。こういう粘土が好きなんだ。うん」
「おお、どうも」
シブタクは何の疑いもなく、その粘土を受け取った。土偶のような形状の真っ白な芸術作品だった。
だが、友奈はそれを見て、デイダラの表情を見たと同時に、血相を変えた。
「いけない! それを……」
キュゥべえがバイクから離れ、どこかへ消え去ると同時に、男は言った。
「芸術は 爆発だ」
「へ?」
友奈が変身し、シブタクが素っ頓狂な声を上げた時にはもう遅い。
友奈の手が粘土に届く、ほんの数瞬前に。
粘土は、眩い光とともに爆発。
シブタクの姿は、爆炎に飲まれて消えてしまった。
「あ……あ……」
シブタクがいた虚空。バイクのパーツだけが転がるそこを、友奈はただただ見つめていた。
「あっはははははは? 最高だぜ! 聖杯戦争! オイラたちの芸術が、まだまだ続けられそうだぜ! うん!」
男は大声で笑いながら、もう一つの粘土を出す。
「さあ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ