暁 〜小説投稿サイト〜
【自作イラスト追加しました】悪役令嬢に憑依させられたので、婚約破棄してきた婚約者の頭を掴んで宙に持ち上げてみた〜外は美少女中身はゴリラの異世界譚〜
状況説明、あっさり信じていいの?
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んでいる都市に行けば旅行中の女神さまにも会えるかもしれないのね」
「え、ええ」
「じゃあまずはそれを目標にして後は、聖女だから魔王に狙われるんだったかしら」
「私はそう、だけれど」
「この世界に呼ばれた異世界転移者もいた方が良い……憑依と異世界転移者、能力的にどの程度違うのかしら」

 私はそう呟き、リセ・ハートマインドの知識を脳内で検索してみるが、

「分からないか。憑依自体珍しいみたいだし、戦力が多いに越したことは無いわね。見つけたらお願いしてみましょう、そもそも魔王関連が相手だと、異世界転移者の能力が必須みたいだし」
「それでそろそろ、理由を教えてくれる? 憑依というのも気になるし」

 と言われたので私は周りを見回してから、

「貴方の暗殺計画に巻き込まれそうになっていたリセ・ハートマインドは、自分の力ではどうにもならないと思って私、土屋リセを呼んで憑依させた。でも私が知っているゲームのシナリオ……この世界で言う未来予測の【書】のようなものかしら、残りは破滅を待つのみだったから、時間稼ぎをしながらハッピーエンドルートに何とか修正しようとしている、という所」
「……憑依? 異世界人を?」
「ぶっちゃけ私が悪人だったらどうするのよと思ったけれど、とりあえずやれるだけやってみることにしたの。ちなみにこの破滅ルートを行くと貴方も死ぬ」
「死……」
「というわけで、すぐに協力してくれて助かったわ。どう? 信用できる?」

 そうクレアに話とクレアは少し黙ってから、

「信じるわ。親友のリセが信じたのなら、私も信じる」
「……大丈夫かなと思わずにいられないわ」
「そう? でも結局貴方は私……私たちを助けてくれているもの。悪人だと思ったら、その時判断するわ」

 言い切ったクレアに、好感を持つ。
 やれる範囲でやってみよう、そう思った所で都市から町へ移動する馬車が、ちょうど目の前で発車しようとしているのを見て、急いで私たちは走り出したのだった。
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