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レーヴァティン
第二百四話 口の形の違いその八

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「もうな」
「それでだよな」
「そや、終わりや」
「そういうことだな」
「ゲリラが出てな、ただ最初仕掛けられても」
「そこでどうするか」
「間違っても一般市民を殺したらあかん」
 美奈代は厳しい顔で語った。
「これはもうや」
「最悪だな」
「それやったらな」
 それこそというのだ。
「もうや」
「今話してるままにな」
「その民がどんどんゲリラになる」
「まさに泥沼だよ」
「チトー=パルチザンもそれで勝った」
 あのナチス=ドイツにである。
「もう徹底したゲリラ戦やってや」
「ナチスに一般市民を攻撃させたな」
「それで自分達もな」
「物陰から市民の服着て攻撃していったな」
「それで果てしない殺し合いになって」 
 そうしてだったのだ。
「ナチスを疲弊させた」
「ソ連との戦争より嫌われていたな」
「そやったらしいな」
 東部戦線のことだ、こちらの方が死傷率は遥かに戦ったがだ。
「どうも」
「ナチスもしくじったんだな」
「一般市民を攻撃してもうてな」
「ゲリラ自身を倒すことか」
「そや、軽挙は慎んでな」
「逆に民をこっちにつけることか」
「そうしたら最初の一撃もや」
 ゲリラのそれもというのだ。
「民にゲリラを突き出させることが出来る」
「それで収まるか」
「そういうことや、民に人気がないとゲリラもや」
 この戦術もというのだ。
「出来んわ」
「そういうことだな」
「そや」
 まさにとだ、美奈代も答えた。
「ほんま政や」
「善政第一か」
「これまで私達は占領地で善政を敷いてきました」
 源三はその政の話をした。
「それで、です」
「支持を得てきたな」
「そのまま領土に組み込み」
「その政を続けたからな」
「民の支持を得てきましたし」
「これからもそうすればいいな」
「そうです、織田信長もそうでした」
 戦国時代の日本のこの英傑もというのだ。
「よく苛烈だと言われますが」
「悪人には容赦しないでな」
「しかし民にとってはです」
「善政敷いて凄くいい殿様だったからな」
「民は彼に懐き」
 このことは実際のことだ、領地の民にとって信長は非常にいい殿様であったのだ。その為絶大な支持を得ていた。
「彼の覇道の大きな力になっていました」
「一向一揆は起こってもな」
「一向宗の門徒は敵になりました」
 その為長年死闘も演じてきた。
「ですが他の民はです」
「信長さんについたな」
「そうして力になりました」 
 信長のそれにである。
「そうなっていました」
「そうだよな」
「やはり政です」
 源三もこう言った。
「大事であることは」
「そういうことだな」
「これからも政をです」
 それをというのだ。
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