暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第二百四話 口の形の違いその七

[8]前話 [2]次話
「民に紛れ込むか民を仕立てる」
「そうして敵軍を攻めるとな」
「敵軍はやがてよ」
「疑心暗鬼になる」
「そして民も攻撃しだして」
「その民がまたゲリラになる」
「悪循環に陥るわ」
 そうなってしまうとだ、双葉は指摘した。
「これがゲリラ戦術の恐ろしいところよ」
「本当にそうだな」
「そう、だからね」
「俺達もか」
「これまで仕掛けて来る奴がいなくて」
 それでというのだ。
「私もよかったと思うわ」
「本当にそうだな」
「ゲリラへの対策は」
 それはどうすべきかとだ、双葉は話した。
「その民に反感を持たれない」
「支持を得ていることだな」
「そうすればね」
 それでというのだ。
「民は最初から武器を持たないし」
「敵兵もな」
 ゲリラ戦術を執る彼等もというのだ。
「突き出されるな」
「その民からね」
「支持を得ることか」
「軍に略奪暴行はさせないで」
 民の支持を失う行為を許さずというのだ。
「そして善政もね」
「敷くことだな」
「間違っても略奪とかしないで取り立てることもね」
「しないことだな」
「軍税制度ってあるけれど」
 欧州では三十年戦争からあった制度だ、占領した街や村に軍資金や兵糧を税として出させその代わりに略奪等を行わないことを約束する制度だ。
「これもね」
「ものを出させるからな」
「反感を受けてね」
「ゲリラの温床になるわ」
「これまで私達は帝国で全部用意してきたわね」
「軍資金も兵糧もな」
「武器もね」
 そうしたものもというのだ。
「全てね」
「そうだよな」
「だからね」
 それでというのだ。
「これからもね」
「そうしたことはしないことだな」
「ゲリラを生み出さないには」
 それにはというのだ。
「本当にね」
「あとな、ゲリラを炙り出すやり方もあるわ」
 美奈代ひゃこのことを言った。
「民の支持を得たらな」
「それでだよな」
「そや、ゲリラを突き出せってな」
 その様にというのだ。
「言うんや」
「あと突き出したら報償もか」
「それもな」
「そうしていってか」
「ゲリラは抑えられるで」
「すげえ嫌な戦術だけれどな」
 仕掛けられる方にしてはだ、だからこそナポレオンも苦しんだのだ。このスペインでのことが彼にかなりの負担となったのだ。
「やり方はあるか」
「要するに政やで」
「その地の民の支持をどう取り付けるか」
「嫌われたらな」
 それでというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ