筋肉襲来
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の勝負……私達の勝ちだから!」
隣の姫和と目を合わせ、可奈美は宣言した。
だが、当然アブラミーは納得しない。
「何を言っている!? オレ様はまだ……!?」
その時、アブラミーは気付いた。
自らの足元に、無数の切れ込みが走っていることに。
「可奈美に気を取られすぎたな」
そういうのは、姫和。
「お前が可奈美と向かい合っている間、貴様の足元を全て斬らせてもらった」
「何?」
斬られれば、当然。
床は抜ける。
「な、なああああああああああああああああああああああ!?」
アブラミーは、両手を上げながら、ムー大陸の底へ落ちていった。
「……」
「……」
アブラミーがいなくなってしばらく、可奈美と姫和はその奈落を見つめていた。
すでに可奈美は、奈落を見てはいなかった。しばらくして可奈美は、口を開いた。
「この前は、あんまり話せなかったけど……本当に、会いたかったよ」
「そうか」
姫和は、どことなく固い声で答えた。
可奈美は続ける。
「あれからもう半年以上経ってるよ」
「私が幽世に閉じ込められてからか」
その言葉に、思わず可奈美は拳を握った。
「うん……大荒魂に……タギツヒメと一緒に行ってから……」
「……そうか」
姫和は静かに可奈美を見つめる。
「可奈美。お前の目的はあっちか?」
姫和は奥の方を見ながら言った。ムー大陸深部へ続く通路。バングレイたちがいるのであろう方向。
そして、姫和がやってきた方角。
「うん。……バングレイを止めるつもりだよ」
「そうか。……」
姫和は、小烏丸をこちらに向けた。小烏丸特有の、両側に入った刃が、可奈美を警戒するように光る。
「奴に、強い参加者を連れて来いと言われた。……だが」
「何?」
「お前を、奴のもとへ行かせたくはない」
「……」
可奈美も、彼女に呼応するように千鳥を抜く。誰に対しても変わらない、いつも通りの千鳥は、静かに姫和を睨む。
今度は、千鳥と小烏丸は、互いに全く反応はなかった。
「ムー大陸を止めないと。そのためには、バングレイを何とかしなくちゃいけない」
「奴は、狩りと称してお前を手にかける」
「姫和ちゃんだって知ってるでしょ? 私、結構強いよ」
「ああ。十分わかってる。だが、それでもだ」
「……そう」
これ以上の会話は、必要ないだろう。可奈美は、腰を落とす。
姫和も斜の構えで、可奈美を見据えた。
「まさか、こんな形でお前とまた戦うことになるとは思わなかったな」
「そうだね」
姫和の言葉に、可奈美は頷いた。
「私だって。で
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