筋肉襲来
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ぬぅぅぅぅぅ!」
その圧倒的な筋肉は、小烏丸の電撃をも防ぐことはできた。だが、ダメージは少なくないのか、アブラミーは着地し、斬られた部分を手で撫でていた。
「お前、一体何者だ!?」
「貴様に名乗る必要などない」
姫和は吐き捨て、可奈美へ赤い棒を投げる。
慌てて受け取ったそれが千鳥だということに、可奈美は驚いた。
「え? 姫和ちゃん、これ……」
「お前が千鳥を落とすな。らしくもない」
「う、うん……」
無意識に、可奈美は千鳥を抜刀した。
すると、千鳥を通じて可奈美の頭に何かが響く。隣に小烏丸があるからだろう。
だが。
「何か違う……姫和ちゃんの小烏丸とは、やっぱり違うんだ……」
可奈美は、隣で斜の構えをする姫和を横目で見ながら呟いた。
「お前らあああああああああ!」
怒り心頭のアブラミーは、その巨体をもって可奈美たちへ攻め入る。
そして姫和は、告げた。
「行くぞ。可奈美」
「……うん! 姫和ちゃん!」
そして、足を動かしたとき。
あらゆる雑念が、消えた。
姫和が本物ではない。ムー大陸。バングレイ。聖杯戦争。
そんなことどうでもいい。
「姫和ちゃんと、一緒に戦える!」
「うらああああああああああ!」
アブラミーの両腕が、それぞれ可奈美と姫和を押しつぶそうと迫る。そのハンマーのような腕を、可奈美と姫和は同時に飛び退いて回避する。
「行くよ!」
「ああ!」
可奈美の斬撃と、姫和の突き技。それぞれがアブラミーの肩に命中。
「お前らああああ! このアブラミー様に向かって、よくもおおおお!」
アブラミーは怒鳴りながら、その両腕を広げて回転する。圧倒的な質量のコマとなったそれは、防御の可奈美と姫和をいとも簡単に吹き飛ばし、ムーの壁に激突させた。
「っ!」
「やるな……可奈美!」
「うん!」
「ん?」
回転が止まった。
そんなアブラミーの上へ、可奈美はジャンプした。
「迅位斬!」
迅位と呼ばれる、加速能力を駆使した斬撃。だが、それはアブラミーの右腕の筋肉に阻まれる。
「そんなもの、オレ様には利かねえ! 捻りつぶしてやる!」
そして、向かってくる左腕。だが、可奈美は体を捻ってそれを避け、先に着地。
「今だよ! 姫和ちゃん!」
「もらった!」
アブラミーが姫和の声に反応するがもう遅い。
「一つの太刀!」
緑の矢のごとく、雷の突きがアブラミーの背中に命中する。
「ぬぐっ! まだまだ! オレ様の世界征服の夢は!」
「悪いけど、それはここでは叶わないよ!」
アブラミーへ、着地した可奈美は言い放った。
「何!?」
「だって、こ
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