筋肉襲来
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手を当てた。
「……何ですか?」
紗夜はそんな可奈美の目線が気に入らないのか、ジト目で睨む。
だが、可奈美は紗夜をジーっと見つめた。
「紗夜さん、初対面、ですよね?」
「……そうですけど?」
紗夜は苛立った様子で言った。
「う〜ん……何か、見たことある気がするんだよね。どこだろ?」
「……」
紗夜は何も言わなかった。だが、どこか不快な表情を浮かべていた。
やがて可奈美は、パチンと指を鳴らした。
「ああっ! 分かった! テレビでやってるアイドルの人……」
「止めてください!」
突拍子に、紗夜が叫んだ。
「日菜のことは……」
「日菜?」
その時、
「何!?」
地響きはどんどん大きくなっていく。
やがて、背後の壁に大きな亀裂が入った。
「これは……っ!?」
危険を感じた可奈美は、その場から離れる。すると、壁が粉々の破片となり砕け散った。
そして。
「がっはハハハハハ!」
その中より、巨漢が現れた。
見上げるような筋肉の塊。頭に巨大な筒___トップの切れ目から、貯金箱だろうか___を乗せた、オレンジのノースリーブジャケットを羽織った男。彼は、可奈美の姿を見定めると、にやりと口元を歪めた。
「みぃつけた!」
筋肉は両手を組み、振り上げる。
可奈美は千鳥を掴み、その場から退避。さっきまで可奈美がいた場所に風穴が開いた。
その破壊力に驚愕しながら、可奈美はそれを行った男の顔を見上げた。
「オレ様はアブラミー! 世界征服する男だ!」
彼は聞いてもいないのに名乗り、さらにバックダブルバイセップスで言った。
「さらに、この聖杯戦争で最強のサーヴァントだ! さあ、お前ら! オレ様の最初の相手になれ!」
こちらの反応など意に介さず、彼は可奈美たちへ飛び掛かる。その巨大な剛腕で、二人を捻りつぶそうと襲い来る。
「危ない!」
可奈美は紗夜の手を取り、お姫様抱っこ。「ええっ!?」さらにそのまま、体を捻ってその剛腕を寸でのところで避ける。
「いきなり何ですか!?」
紗夜が抗議の声を上げるが、それを聞き入れる相手ではない。アブラミーと名乗った男は、可奈美と紗夜へ殴りかかる。
「うわわわ!」
紗夜を抱えたまま、ステップでアブラミーの連撃を回避する。可奈美が踏んだところ一歩一歩に、アブラミーの筋肉が足跡を刻む。
大きく飛び退きアブラミーから離れたが、アブラミーはまたこちらを潰そうと迫ってくる。
「紗夜さん、下がって!」
「衛藤さん!?」
可奈美は紗夜を背中に回し、アブラミーに向き直る。
「危険です! 逃げないと!」
「これくらいの相手なら大
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