筋肉襲来
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朝。日課のランニング。
ただ、今日だけは違っていた。
今日は、見滝原公園には行かずに、コンビニやお菓子屋へ向かった。そして、近所のお菓子屋で、目当てのものを購入した。
そして、ラビットハウスに戻ってからしばらくして、モノクマよりアナウンスが流れた。
慌てて部屋から御刀と買ったものをビニール袋ごと掴み、その瞬間に銀のオーロラに巻き込まれた。
そういう経緯で、セイヴァーのマスター、衛藤可奈美はムー大陸の地を踏んでいる。
「朝ごはん食べてないから、お腹空いた……」
可奈美はそんな声を上げた。
すでに腹の機嫌は最悪で、音が止まない。
「お腹空いた〜……もう動けない……」
椅子のサイズの遺跡に腰を落とし、足をブラブラさせる可奈美。
千鳥を手元に置きながら、可奈美は大きくため息をついた。
「ねえ、
「ねえ、何か食べるものない?」
「さっき私のポテト食べましたよね?」
腕を組んだ少女が言った。
だが、可奈美はそれでも「もうありません?」と尋ねた。
「もうありません。このやり取りも、五分前にしました」
「でもお腹空いたんだもん」
「それはもう聞きました」
可奈美の隣に腰を下ろしている少女が言い放った。水色の長いウェーブ髪の少女はため息をつきながらスマホを弄っている。
「ここにいる限り、私達は食料にありつけることはありません。早急に脱出を試みるべきでしょう」
「バングレイがどこにいるのか分からないのに……どうやって脱出しようか?」
「分かりません。そもそも、衛藤さん刀使ですよね? こういう場合の訓練は受けていないのですか?」
「さすがにいきなり古代遺跡に閉じ込められてからの対処は教えられてないかな? それより……」
可奈美は少女へ顔を向けた。彼女は必死の形相でスマホをタップしていた。
「ねえ、紗夜さん……さっきからスマホいじって、何してるの?」
「助けを呼ぶ手段を探しているんです」
可奈美が紗夜と呼んだ少女は、険しい表情を崩さない。
「でも、結局電波通らないんでしょ?」
「そうですけど……ああもうっ!」
紗夜はそう言って天井を仰いだ。
「どうして私がこんな目に遭わなければならないのっ!? 本当に……!」
そう嘆く紗夜の手を、可奈美は凝視していた。真っ白で綺麗な素肌。ただ、可奈美の予想していた通り、彼女の手には小さな黒い紋様が浮かび上がっていた。
令呪。聖杯戦争、参加者の証。
「紗夜さんは……その……ここに飛ばされた心当たりとか、ない?」
「何ですか突然。ありませんよ。そもそも、いきなり頭に変な声が聞こえたと思ったら……」
唇を噛みながら、紗夜は答えた。
そんな彼女の顔を見ながら、可奈美は顎に
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