ムーの誇り
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ソロの脳裏に、雪の中、バングレイに記憶を読まれたことが過ぎる。ムーの兵士、エランドを召喚した時、やはりこの場所を知られたことにソロは唇を噛む。
「笑えるな? 誇り高えムー人が、俺にわざわざムー大陸の場所を教えてくれるんだからよお!? バリバリバリ」
「……電波変換!」
すでに言葉は不要。そう判断したソロは、ブライへその姿を変える。
「キサマは、このムーの地にこれ以上足を付けることさえも許されない。斬る!」
その手に自身の名を冠するブライソードを持ち、バングレイへ斬りかかる。
だが。
「その前に……私と戦ってもらおうか」
「!」
ブライの剣を防ぐ、銀に輝く日本刀。
その名が十条姫和だと知る由もなく、その剣、小烏丸がブライに迫る。
「っ!」
ブライは剣を盾にしてそれを防ぐ。剣と剣の音が神殿に響いた。
「……キサマ……」
姫和より距離を置いたブライは、バングレイを睨む。
バングレイは更に二人の少女を侍らせている。それぞれがブライに並び、こちらを見つめている。
「悪いな、ムー人。お前とはもう戦ったし、何よりバリ倒したからな? こいつ等よりも強かったら、また狩ってやるよ」
バングレイの言葉が終わると同時に、日本刀の少女の体が白い光に包まれる。
色白の少女、東郷美森が白と水色の衣装へと変わる。
ボブカットの少女、小日向未来が歌う。
『Rei shen shou jing rei zizzl』
紫の光。それとともに、その姿は武骨な紫の装備で包まれていった。
「私と響の間を邪魔する人は、許さない……!」
呪われた声でそう告げた未来は、その目を獣の口のようなゴーグルで閉ざす。
敵は三人。その後ろでは、バングレイとエンジェルがただただ観察しているだけだった。
「自分では戦わずに、人形を出すのか? それは、ただの弱い奴がすることだ」
「ああ? 挑発のつもりか? んな安いモンに乗るわけねえだろ?」
バングレイは鼻を鳴らした。
「そのお人形を操れるのも俺の能力だからな? バリバリやらせてもらうぜ」
「ふん」
「やれ」
バングレイの号令とともに、三人は動き出す。
誰よりも素早かったのは、最初にブライへ剣を向けた姫和だった。その素早い突き技はブライも油断できるものではなく、彼女へ一撃返した時には、小さな攻撃を何度も受けた後だった。
「チッ……!」
ブライの右手に紫の輝きが発せられる。放たれた無数のブライナックルが、バングレイごと少女たちを砕こうと飛んでいった。
「我、陣営を防衛ス!」
だが、美森がその号令とともに、長い銃を撃つ。彼女の周囲にも無数に増えている銃からも同じように発砲
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