第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第三章 成長
第21話 シリカの理由
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かこく)だったな」
「そうですね。こんな事になっちゃいましたし…」
「本当に色々な事があったよな〜…俺なんか一度、死にかけたしな…」
シュウさんがご飯を食べ終わって落ち着いた頃、急に会話が思い出話になってきた。
…本当に色々な事があった。でも一番心に焼きついている思い出は、シュウさんが言うようにシュウさんが一度死んだ時の事だ。
あの時は本気で、人生で初めてなんじゃないかと思うくらい泣いた。
「『死にかけた』で、すみませんよ! あの時は本当にどうしようかと思ったんですからね! 生きて帰ってきてくれなかったら、あたし……その…」
「いや、マジで悪かったって……でも、俺がいなくても悲しいだろうけど、シリカなら生き残れたと思うけど…」
あたしの言葉が詰まった後、シュウさんの言った『俺がいなくても』という言葉に、あたしの気持ちが気が付いてないことが分かり腹が立ってしまった。
あたしも気持ちを必死になって隠している。
自分の気持ちに気が付いてから、シュウさんに自然と目がいっているのに気付いて直そうとしたり…
…そんな頑張ってはいるけど、気付いてほしいと思うあたしもいて……だから…気持ちに気付かない
鈍感なシュウさんに凄く腹が立った。
なので珍しくシュウさんに、嫌味ったらしい言葉と文句を言ってしまった。
「第十層まではあたしの事を守ってくれるって言ったのは、いったいドコのお兄ちゃんだったんですかね〜。シュウさん」
「う! でも、あの時はすでに十層で……」
「それでも! やっぱり、シュウさんがいなくなったら、あたしは生きていける自信がありません!」
「え!?」
あたしは最初にいった嫌味で終わらせるつもりが、勝手に自分の口から今まで抑えていた気持ちが出てしまっていた。
「シュウさんは、ゲームが始まった時からあたしの事を助けてくれて、色々なことを教えてくれて、守ってくれて、優しくしてくれて、そんなシュウさんはあたしの心の支えなんです! 憧れなんです!」
「いや……そんな…憧れるほどの事は……」
シュウさんがあたしの言葉に、顔を赤くして照れているのがわかる。あたしだって言っていて凄く恥かしい…でも、ここまできたら止められなかった。
「そんなシュウさんがいなくなるなんて、あの時どれほど苦しかったか、悲しかったか! シュウさんが十一層からもあたしと一緒に行動してくれて、どれだけ嬉しかったか! だから今シュウさんが言っ…」
あたしが必死にシュウさんに向かって言葉を言っていたら、シュウさんが突然……
「……え!?」
…椅子から立って、あたしの所まで来て…前からあたしの背中に腕を回して……
…つまり……その……あたしを抱きしめていた。
「え!? あのちょ、ちょっと、シュ、シュウさん
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