第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第三章 成長
第21話 シリカの理由
[1/6]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
2023年05月06日土曜日………最前線、第二十八層
このSAOが始まって、丁度半年が経った。
あたしは、朝七時にセットした起床アラームで目を覚ました。
「ん〜〜しょっと」
ゲームの中なので伸びをしても関係ないけど、半年このゲームの中にいても長年の癖はどうしてもとれない。
眠さを堪えながら起きた後、もう気が付けば半年間も一緒の部屋で隣のベットで寝ている同居人を起こす。
月曜日は外食、火曜日と水曜日はシュウさん、木曜日と金曜日があたし、土曜日と日曜日は二人で朝ご飯を作ることになっている。
「シュウさん、起きてください。今日は土曜日ですよ」
「ん…朝か、………ふぁー……シリカ、おはよう」
「おはようございます、シュウさん」
シュウさんが眠そうな顔であたしに返事をしてくる。
あたしも朝には弱いけど、シュウさんほどじゃない。
それにシュウさんはどうやら起床アラームが、あまり好きじゃないんだとか…理由を前に聞いたら、『耳に直接、音が鳴って起こすみたいな所がイヤなんだよ。朝くらい、ゆっくり寝たいし…』
と、言っていた。
なので、あたしが毎日シュウさんの事をこんな感じで起こしている。
このシュウさんを起こす事を始めたのが、このゲームが始まってから一週間くらいの頃だった。
シュウさんがアラームをセットしないでいるのに気付いて、理由を聞いてから恩返しのつもりで始めたのがキッカケだった。
始めの内はシュウさんも遠慮していたが、何ヶ月か経つと諦めたのか今では挨拶までしてくれるようになった。
あたしも始めはただの恩返しのつもりが、今ではこのSAOでの生活の楽しみの一つになっている。
好きな人をただ起こすだけで、こんなに楽しいなんて今まで知らなかった。
シュウさんの寝起きの顔を見るとなんだか…その…不思議で…そして、あたたかな気持ちになる。
この気持ちが好きな人に対する物なのかは分からないけど、…もしかしたらこの気持ちが、あたしがシュウさんを好きになった理由の一つに入るかもしれない。
「ん〜……今日は米でも食べるとするか…」
シュウさんが、まだ眠そうさ顔で食べたい物を言ってくる。あたしもそれで良いかな? と思って、シュウさんとのフレンド登録で出来た、共通ウィンドウに入れてある材料を確認の為見てみると……お米の残りが少なかった…
「いいですよ。…あ! でも、もう残り少ないですよ! お米」
「…ならパンでも良いか。米は今度また作って量を増やしてからにしよう」
「なら、早速作りましょうか。シュウさん」
…このSAOに《お米》はない。
でもあたしとシュウさんが、料理を何回かして慣れてきたある日。
それはまだゲーム開始1ヶ月半くらいの頃…あたしが
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ