最終章
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入学式は大きな体育館だった。僕は寮で知りあった数人の仲間と出ていた。慎二も一緒だ。寮の連中は最後列に陣取るのが慣例ということだった。何故か寮長という人も居た。
式が終わりかけた時、前の方の席に、僕は見慣れた後ろ姿を見た。あの長い髪の毛は、絢だ。間違いない、束ねた髪の毛を前に出している。似ていると思ったが、見間違いか、でも、きっと、間違うわけがない。絢だ。
式が終わって、直ぐに前に行ったが、もう、その娘の姿は無かった。校内を探し回ったが見つからなかった。ここに居るわけがないし、まぼろしだったのか。
その日の夜、早速歓迎会があった。
「ここは、昔ながらのバンカラ気質がまだ残っているんだ」先輩が言っている、
と言いながら酒を注いでくる。未成年とか関係ないみたい。これも土地柄だと言っていた。こんな経験は僕も初めてだ。多分誰もが戸惑うだろう。でも、自分でも多少豪快になっている気がした
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