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本町絢 外伝 絢と僕の留メ具の掛け違い・・そして 結末
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新学期が始まる前の夜、お父さんがお酒を飲み始める前にと思って、話を切り出した。
「お父さん、私、〇〇大受けたいの」
お父さんは、突然だったせいか黙っていた。側で聞いていたお母さんが
「それって、絢ちゃん、モトシ君に誘われているの」
「ううん、モト君とは1年の時から会っていないの。自分で決めた。教育美術に入って、私、先生になりたいの。モト君のことも考えてないわけじゃあないけど、私、あの人と居ると、なんか希望が湧いてくるし、前に進まなきゃって感じになるの。側に居て勉強していたい。王子様なの、私にとっては」
「モトシ君には本当によくしてもらって、お母さんも感謝しているわ。いい子だとは思うし、でも、それとは、違うんじゃあない? それに、モトシ君だって迷惑に思うかもしれないじゃぁない」
「ううん、私が勝手に決めたんだから、それでも、いいの。夢を追いかけるの、今しかないんだもの。後で、後悔したくない。モト君には内緒にしておきたい、負担に思って欲しくないから・・」
今まで、黙って聞いていた、お父さんが
「絢の言いたいことはわかった。だけど、先生になりたいんだったら、今のままでもいいし、教育大だってある。〇〇に行くのは反対だ。付き合うのは、別に構わないけど大学違ったって付き合えるだろう。少し、熱を冷ましたらどうだ。お前は、一人娘みたいなもんだ。それが男を追って家を出て行きましたなんてこと、他で言えるかー。そこを考えてくれ」
「あなた、そんな下品な言い方、娘に向かって少しひどくないですか」
お母さんがそう言うと、少し険悪な雰囲気になってしまって。ご飯を食べ出したけど、私、あんまり食べられなくって、お父さんはお酒を飲み出した。すると
「言い過ぎた。すまん、少し考えさしてくれ。絢も、もう一度、見つめ直したらどうだ」
その日は、それで終わったけど、もう日があんまり無い。
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