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真・恋姫†無双〜俺の従姉は孫伯符〜
檄文+董卓+袁紹=反董卓連合の結成(蜀・呉)
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の棚から湯飲みを取り出した。そのまま流れるようにお茶を入れていく。そ、そのようなことを領主がわざわざする必要はありませんのに……。

「はい、愛紗ちゃん」
「あ、恐縮です」

 だが、どうせ言っても聞かないだろうからあえて流しておく。まぁ、こういうところが桃香様の美徳なんだろう。領主らしからぬ優しさが、民達に好かれている最大の理由なのだと私は思っている。
 桃香様はお茶を持ったまま再び椅子に座ると、私の方を見つめながら言った。

「これはあくまでも私の推測だから、軽い気持ちで聞いてね」
「はぁ……わかりました」
「えっと、董卓さんは悪政を強いて民衆を苦しめているって話だったけど、私はそうは思わないんだ。だって、洛陽って大陸でも有数の大都市だよ? そんなおっきな街が支配されて滅茶苦茶な目に遭っているっていうなら、もっと早くから大袈裟に広まっているはず。でも、私達は袁紹さんからのお手紙で初めてそのことを知った……普通に考えて、これは袁紹さんの自作自演だと思うんだ」
「なるほど……袁紹が董卓の地位に嫉妬して、嘘の事実を書いた檄文を送ったと……」
「本当かどうかは分からないけどね」

 苦笑交じりに言う桃香様だったが、私は腕を組んで今言われたことを思い返していた。ふむ……確かに一理あるな。洛陽を治めているというのは、ある意味これ以上ない箔だ。揚州などと比べてもその差は歴然。大陸一の都市を統べる者というのは、同時に大陸一の実力者ということになるのだ。袁紹は、その地位を欲しがっている。……改めて考えてみると、意外にもしっくりくるものがあった。まぁ、納得できる理由の七割は袁紹の評判の悪さから来ているんだがな。やはり人間たるもの風評には気をつけねばならない。私も『黒髪の山賊狩り』とかいう二つ名でとおっている身だが……会う度に『期待外れ』と言われてしまうのは何故なんだろうか。私はそんなに女らしくないか!
 
「愛紗ちゃん? なんか顔が怖いけど……どうしたの?」
「はっ! あ、いえ! なんでもありませんので心配なさらないでください!」
「ふぅん……なんともないなら、いいけど」

 この程度で動揺してしまうとは、私もまだまだ修行が足りないな。もっと精神を鍛えねば。
 
「結局、どうするんですか?」
「連合には参加するよ。董卓さんとも戦う。……でも、その悪評が嘘のものだったなら、全力で匿いに行くからね!」
「え……? あの、それはいろいろとマズいことになるような気が……」

 もしバレたら周囲の武将たちからタコ殴りにされるのではないだろうか。裏切り者になっているわけだし。曹操なんかが攻めてきたら勝てる気がしないぞ……。
 しかし、一度決意を固めた桃香様が意見を変えるわけがない。普段通りの強い意志の籠った瞳で私を見つめ、まるで子供
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