ムー大陸最後の一人
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ソロ。その名前で、真司は彼こそが、オーパーツの一つ、シノビを奪った黒と紫の戦士なのだと認識した。
ソロは、静かに部屋へ立ち入る。彼は静かにミイラたちを見上げながら、部屋中央の装置へ近づく。
「どけ」
ソロはほむらを押しのけた。
不愉快そうな顔をしたほむらは、きっとソロを睨んだ。
「貴方……丁度いいわ」
切り替えたほむらは、いつの間にか拳銃を手にしていた。その銃口を青年へ向けた。
「貴方は何者なの? ブライの力、どこで手に入れたの?」
「……」
だが、ソロは何も答えず、機械に触れる。すると、ほむらが弄っても反応しなかった機械が起動音を奏でた。
「!」
真司が、それに目を見開いて驚く。
だが、ほむらは構わず続ける。
「答えなさい!」
「……キサマも、ムーの力を狙うか」
ソロは躊躇いなく、拳銃の銃口を手で防いだ。誰よりもほむら本人がそれに愕然とする。ソロはその間に、彼女の背後に回り込み、首を絞め上げた。
「うっ!」
「お、おいやめろ!」
真司が止めに入ろうと飛び掛かる。だが、ソロは体を捻って蹴りを放ち、真司の腹を穿つ。
「うっ!」
床を転がった真司は、痛みに堪えながら起き上がる。
「いつつ……」
「ムーの力は、キサマのような奴が手にしていい、安いものではない」
ソロは更に、ほむらの背中を蹴り飛ばし、その手に石製の携帯端末を取り出す。
端末が描く、ムーの紋章。それは瞬時に四つに増え、ソロの周囲で回転を始める。
だが、ほむらも起き上がると同時に、その手に黒い宝石を手にしていた。闇のような暗さを放つ光が、ほむらの体を包み込んでいく。
「いいわ。なら、貴方を倒してから、ムーの力でも何でもいい。もらいましょうか?」
「キサマにそれができるのならな」
「お、おい! 待て待て!」
戦いが始まる。
それを止めようと、真司は両者の間に割って入る。そして、右手には石の端末を。左手には黒の宝石を掠め取った。
「「!」」
「お前たちに、戦わせはしない! こんな戦い、絶対に止めてやる!」
真司の言葉に、それぞれ血相を変えるほむらとソロ。
だが、真司はそれぞれの変身アイテムを持ったまま、二人に向き直る。
「俺たちが戦う必要なんてない! そもそも、今戦ったところで仕方ないだろ! 何のために戦うんだ!?」
「キサマ……聖杯戦争の参加者だろ?」
ソロが真司を睨み、生身のまま襲い掛かる。その長い足による蹴りが、真司へ向かう。
「うおおお!?」
だが真司はそれを避ける。長らく龍騎として戦ってきた体は、ムーの戦士の生身の攻撃にも十分反応できる。蹴りを受け流し、拳を受け止めた。
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