ムー大陸最後の一人
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遂げたところでどうにもならない目的のために?」
「絆だの繋がりだの、他人のために生きている奴らには分からない。オレは、オレの誇りのために戦う。それだけだ」
「……」
真司は、唇を噛みしめながら尋ねた。
「それって……戦わなくちゃいけないのか?」
「そうだ。これは、オレが勝ち得るべき、ムーの誇りだ!」
その時、ソロの頬を走る、赤い紋様が灯る。彼の感情に呼応するように輝きを増していくそれは、真司の視線を釘付けにするものだった。
同時に、真司の手元の端末より、ムーの紋章が浮かび上がる。
「っ!」
真司は思わず端末を投げ捨てる。端末を包む紫の炎は、真司の手を焦がしながら、そのまま放物線を描きながらソロの手へ投げ渡る。
ソロはそのまま、部屋の機械、その端末と同じ大きさの窪みへ差し込む。
すると、部屋の光が波打つ。あたかも部屋の電力が端末に集中していくような動きに、思わず真司もほむらも見入ってしまう。
「ここに来たのは、ブライの調整のためだけだ」
光が、ソロの顔を照らしていく。だが、彼の目には、仲間たちへのノスタルジックさを全く感じさせなかった。過去の仲間たちを一顧だにせず、未来の自分だけを見つめているようだった。
やがて光の動きが全てが終わり、端末を取り外したソロは、それでムーの紋章を描く。
それはソロの体を包む四方となり、ソロを紫の光の柱が包んでいく。
「電波変換!」
そして、光が霧散し、そこにはムー大陸の戦士、ブライがいた。紫のゴーグルで真司を睨み。
「全ての参加者はオレが倒す。キサマらもな。だが……」
ブライは真司とほむらを一瞥。そして。
「まずはラ・ムーを……ムーの誇りを汚した奴らを消す!」
戦士は、七色の波長を発しながら、その姿を消した。
ソロが消えたことで、真司はその名を叫ぶ。
「待て! ソロ!」
だが、そんな真司の声は、ムー人たちの亡骸の中に響くだけだった。
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