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レーヴァティン
第二百三話 騎士団と王国その八

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「人生の何分の一の楽しみがないか」
「そう言うんだな」
「実際にそう思ってるわよ」
「酒は人生の楽しみの何分の一か」
「少なくとも趣味の一つで生きがいよ」
「だからそう言うんだな」
「そうよ、飲んでね」
 そしてというのだ。
「食べることがよ」
「人生の楽しみの何分の一でか」
「今夜もそうするわ」
「そうするんだな」
「ええ、今日の晩はパスタで」
 それでというのだ。
「赤ワインよ」
「それで楽しむんだな」
「そのつもりよ、あんたは何を肴に何を飲むのかしら」
「赤ワインだな」
 久志はまずは飲む酒から答えた。
「それでステーキでな」
「その組み合わせね」
「ああ、ただフォアグラとかキャビアとかな」
 久志はこうした食べものも話に出した、この浮島においても珍味の中の珍味であり非常に高価なものである、
「あとトリュフな」
「あんたそうしたものは食べないわね」
「何か口に合わないんだよ」
 そうしたフォアグラやキャビアといったものはというのだ。
「どうもな」
「トリュフもなのね」
「レバーは食うけれどな」
 それでもというのだ。
「どうもな」
「高いものについては」
「俺はな」
「好きじゃないのね」
「美味いとは思うさ」
 こう思うことは事実だというのだ。
「けれどな」
「お口に合うかどうかは別ね」
「というかお前も好きか?」
「そう言われると」
 どうかとだ、清音は微妙な顔になって久志に答えた。
「私もね」
「そうだろ」
「口に合わないわ」
「そうだよな」
「どうもでござるな」
 慎太も言ってきた。
「拙者達は贅沢に馴染んでいないでござるな」
「ばかでかい豪奢な宮殿にも興味ないしな」
「美食についてもで」
「宝石とかもな」
「集めないでござるな」
「何かそういうものってな」
 建築やそうした権力者の贅沢はというと。
「俺達興味ないな、特に建築な」
「それはそうでござるな」
「何が楽しんだ」
 宮殿等の建築についてだ、久志は眉を顰めさせて言った。
「一体」
「よく聞くでござるが」
「今も起きた世界で北の将軍様好きだけれどな」
「宮殿や凱旋門やら建てているでござるな」
「歌劇場にしてもで」
「あれだけ窮乏している中で、ござる」
「そんなことして楽しいか」
 そもそもとだ、被災者こうも言った。
「そんなに建てて」
「国の財政を圧迫して」
「あれがわからないんだよ」
「そうでござるな、最低限のもので」
 進太も久志の言葉に頷いて述べた。
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