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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第80話:嘗ての師弟
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が別なのか心を乱されていく。

「まぁそれも当然だな。何しろお前は以前私に敗北し、魔力の大部分を封印されているのだからな。寧ろその状態でよくここまで戦えたもの、だ!」
「ぐはっ?!」

 次々と放たれる斬撃を防ぐ事に精一杯になっていたウィズに、ワイズマンの蹴りが炸裂する。蹴り飛ばされたウィズは、背後にあった調度品を破壊しながら壁に叩き付けられた。
 腹と背中を襲う衝撃に、ウィズはハーメルケインを杖代わりにしながら立ち上がった。

「はぁ、はぁ、くそ――!?」
「ふん。どうしたウィズ? 魔力を半分封印されているにしても消耗が早いじゃないか? どこかで魔力の無駄遣いでもしているのか?」
「ちぃっ!?」

 ウィズは現在、エアキャリアを守るソーサラーに足止めされている風を装う為、デュープで作り出した分身を戦わせている。そちらに魔力を割いている為、何時も以上に魔力を消耗しているのである。

 苦戦必須の戦い。いや既に苦戦している現状、ウィズは既に逃げる事を考えていた。

 ジェネシスサイドの戦力で分かっている事の一つに、連中は結界などに関する魔法が乏しい事がある。このアジトも特に隠蔽されるようなことはなく、どこかにある人の寄り付かない古城を利用しているに過ぎない。
 つまり、一瞬の隙さえあればテレポートで逃げる事は可能という訳だ。少なくとも一度発動してしまえば、阻まれる事はあるまい。

 問題は指輪を取り換えて魔法を発動する隙が与えられるかと言う事である。ウィズは戦いの中で、指輪を取り換え魔法を発動する隙を伺った。

「戦いの最中に考え事とは余裕だな!」

 しかしワイズマンからの攻撃は相変わらず激しい。全く隙が無い。

 しかも何が恐ろしいって、ワイズマンは純粋な剣技だけで今のところウィズを圧倒しているのだ。颯人は勿論、透すら圧倒してみせたウィズが今はワイズマンに手も足も出ていない。魔法も無しにウィズが圧倒されているところを颯人達が見たら、信じられないと言った顔をするだろう。

 だがウィズも一方的にやられてばかりではない。戦いの中で、彼はこの状況を打開する策を考えついた。
 その策を実行に移すべく、ウィズは戦法を変えワイズマンの周りを素早く動き回りながら攻撃を仕掛けた。突然戦法を変えたウィズに、ワイズマンは一瞬呆気にとられる。

「ほぉ? 戦法を変えたか。面白い、だが…………」

 周囲を動き回りながら攻撃してくるウィズの動きを見極め、的確に攻撃を防ぐワイズマン。そして何度目かのウィズの攻撃を捌いた次の瞬間――――

「――――そこだ!」
「ッ!?」

 一瞬の隙を突いて、ワイズマンの斬撃がウィズを捉えた。×字に振るわれた刃が、ウィズの鎧を切り裂きその場に膝をつかせた。

「ぐ……が、
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