第二章
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「ニャ〜〜〜」
「ナァ〜〜〜」
「ニャ〜〜ン」
「子猫の兄弟だな」
院長は彼等を見てすぐにわかった。
「あの子達は」
「そうですね」
「兄弟と母親が心配で来たんですね」
「じゃああの子達の里親も探そう」
院長はこう言って彼等も病院に入れてだった。
母子五匹の里親をインターネットも使って募集した、すると。
ギレズンの町役場で働いているビュレント=アタク彫のある顔立ちで黒髪都黒い目の彼が白地に黒の垂れ耳の中型犬を連れてやって来た。
「その子達をうちに迎えさせて下さい」
「おや、貴方は」
院長は彼を見て気付いた様に言った。
「確か以前犬に着ている服を被せた」
「雪が降っている時にですね」
「インターネットで話題になっていた方ですね」
「その様ですね、そしてその犬がこの子です」
「ワン」
その犬はここで鳴いた。
「名前をジャアファルといいます」
「家族に迎えられたんですね」
「はい、それで新たにです」
ビュレントは院長に笑顔で話した。
「猫達を家族に迎えたいのですが」
「五匹の子全てをですか」
「宜しいでしょうか」
「貴方でしたら」
雪の降る夜に犬に自分が着ている服を着せて雪と寒さを防いであげて後に家族に迎えた、そうした優しい心の持ち主ならというのだ。
「猫達も幸せになれます」
「それでは」
「宜しくお願いします」
こう言って猫達を引き渡した、そして。
院長はビュレントのところにケースに入って引き渡された猫達に笑顔で言った。
「うちに来てよかったな、助かってしかも優しい家族が見付かった」
「そうですね」
「僕達も最初は戸惑いましたが」
「それでもですね」
病院のスタッフ達も応えた。
「院長のご決断が正しかったです」
「まことによかったです」
「子猫を助けて」
「僕達も今はそう思います」
「コーランの言うことは全て正しい」
院長は笑顔でこの言葉も出した。
「そしてその言葉の通りに」
「はい、猫は大事にする」
「そうしていけばいいですね」
「悪いことはないですね」
「それで彼等は助かり我々は幸せな気持ちになる」
幸せになる彼等を見てというのだ。
「こんないいことはないよ」
「全くですね」
「それではですね」
「彼等を送り出しますか」
「そうしよう」
笑顔での言葉だった、この言葉と共に猫達を送り出した。そして後にビュレントそれに犬と楽しく遊ぶ猫達の画像がビュレントからメールで送られてきて彼等は再び笑顔になって幸せを感じたのだった。
子猫を病院に連れて来た母猫 完
2021・5・15
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