蓮華×雪蓮×雹霞=複雑な関係?
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家の次女。姉様に劣らないように、日々王としての自覚と心構えを持っていないといけないのに……。
「兄様のことを考え始めると、自分を制御できなくっちゃうのよね……」
以前思春に言われた『重症ですね』っていう言葉が痛いほど胸に刺さる。確かに重症だ。もはや恋する乙女とかいう限度を軽く超えてしまっているような気がする。姉様と別れて暮らしていた頃はまだ収まりがついていたんだけど、この城に来てからはもう無理。だって兄様の部屋があるのよ? 我慢しろって言うのがそもそも不可能なのよ。……って、思春に言ったら呆れ顔で首を振られたけど。あの子最近私に厳しいわね。
それにしても、なんでこんな気持ちになってしまうのかしら。
きっかけは、よくわからない。物心ついたころから姉様に連れられて、兄様と一緒に遊んでいた。たまにしか会えなかったけど、会えた時はいつも私に優しく接してくれていたわね。
もしかしたら、そんな兄様の優しさに私は惚れているのかもしれない。こんなことを考えるのは王としてあるまじきことなんだろうけど、これは一人の女性としての私の本心。他人にどうこう言われようが、曲げる気や否定する気は一切ない。これが私なんだもの。嘘はつけないわ。
「……だからって、雹霞の部屋で自分を慰めていいとは限らないわよ?」
「にゃわっ!!」
突然耳元で囁かれ、思わず前のめりに倒れてしまう私。い、いくら思考の波に身を任せていたとは言っても、少し油断しすぎてしまったわ……。ていうか、私今すっごく恥ずかしい声出さなかった!?
自分の顔が羞恥で染まっていることを自覚しながらも、顔を上げる。
「はいは〜い♪ 今日も元気ね、れーんふぁっ」
「ね、姉様……」
ひらひらと右手を振って軽い挨拶をしてくる姉様。どうやら、さきほどの犯人はこの人で間違いないようだ。というか、この人しかありえないわね、状況的に。
はぁ、と溜息をつく。姉様はなぜかにんまりと微笑むと、少し力強く私の肩に手を回してきた。
「ねぇっ、蓮華」
「な、なんですか……?」
「さっき私が言ったことなんだけどぉ……」
「言ったこと? 何のこと……」
瞬間、私の脳内に数分前の言葉が繰り返される。
『だからって、雹霞の部屋で自分を慰めていいとは限らないわよ?』
「〜〜〜〜〜〜っ!?」
顔から火が出そうだった。は、恥ずかしい……少しも躊躇わずに直球的に言われたことが、さらに羞恥心を煽ってくる。自分の顔が火が出そうな程赤面しているのが、鏡を見なくてもわかりそうだわ……。
私が動揺するのを見て、姉様はいたずらを成功させた子供のように明るく笑う。
「あっはは! あ〜、おもしろかったー」
「わ、笑いごとじゃありません! いきなりなんてことを言い出すんですか!?
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