15 恋路
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?」
「私?私は1組の笹山かず子。宜しくね」
「ぼ、僕は藤木。2組の藤木茂っていうんだ。あの、僕と、と、友達・・・」
と、その時、その女子の友人と思われる女子が現れた。
「笹山さん、おはよう」
「あ、城ヶ崎さん、おはよう、それじゃ藤木君、またね」
「あ・・・」
友達になってくれとは言えなかったが、その女子の名前が笹山かず子ということを知ることができた。
(笹山かず子さん・・・か)
藤木は笹山の事がより好きになっていった。そして、学校が少し楽しく感じていった。
2年生になった。藤木は3組に配属された。そして・・・。
「あ、藤木君も3組なんだ。宜しくね」
「さ、笹山さん。うん・・・、宜しく」
藤木は笹山と同じクラスになれたことが何より嬉しかった。が、同時にあの堀内と同じクラスでもあった。堀内は授業を勝手に抜け出したり、酷い悪戯を好んだ。ある時、女子の身体測定の時、堀内は急に保健室に乱入してきた。その後、クラスメイトの城ヶ崎が泣いていた。堀内に体を弄られたらしい。これが原因で城ヶ崎は女尊男卑な態度をとるようになったとか。堀内はどれだけ先生に注意されても直りようがなく、皆は彼を嫌うようになった。藤木も堀内から何度か被害を受けた。邪魔だと急に突き飛ばされたり、給食当番や掃除当番の代わりを押し付けられたり、宿題をやらされたり・・・。しかし、必ずではないが笹山が慰めてくれた。もし笹山に会わなければ不登校になっていたかもしれない。
そして、3年生となり、堀内とはクラスが別れた。藤木と笹山は同じ4組となった。
「藤木君、また一緒のクラスだね。宜しくね」
「う、うん・・・宜しく」
藤木はまた笹山とクラスメイトになれて嬉しかった。
藤木は笹山との日々で物思いに耽っていた。
(それで今、リリィが転校してきて、今、僕の前には好きな子が二人いる事になっている・・・。どうしよう・・・)
「藤木君、どうしたの?」
リリィが心配そうに聞いてきた。
「あ、ちょっと、ボーっとしてたんだ!」
その時、堀内がものすごい勢いで入ってきた。
「おいテメエ、さっきはよくも調子こいでくれたな!!」
「わ、わーっ!!」
藤木は慌てて後ろのドアから廊下へ逃げた。
「逃げんじゃねえ、卑怯者!!」
堀内は反対のドアから廊下を出て追う。藤木がずっこけた。堀内が勢いをつけて蹴りを入れる。
「なめてんじゃねえぞ!!」
藤木が目を瞑る。その時誰かの声がした。
「やめて!!」
藤木が目を開けた。蹴られたのは藤木ではなく、彼を庇った笹山だった。
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