暁 〜小説投稿サイト〜
とある3年4組の卑怯者
15 恋路
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
?」
「私?私は1組の笹山かず子。宜しくね」
「ぼ、僕は藤木。2組の藤木茂っていうんだ。あの、僕と、と、友達・・・」
 と、その時、その女子の友人と思われる女子が現れた。
「笹山さん、おはよう」
「あ、城ヶ崎さん、おはよう、それじゃ藤木君、またね」
「あ・・・」
 友達になってくれとは言えなかったが、その女子の名前が笹山かず子ということを知ることができた。
(笹山かず子さん・・・か)
 藤木は笹山の事がより好きになっていった。そして、学校が少し楽しく感じていった。
 
 2年生になった。藤木は3組に配属された。そして・・・。
「あ、藤木君も3組なんだ。宜しくね」
「さ、笹山さん。うん・・・、宜しく」
 藤木は笹山と同じクラスになれたことが何より嬉しかった。が、同時にあの堀内と同じクラスでもあった。堀内は授業を勝手に抜け出したり、酷い悪戯を好んだ。ある時、女子の身体測定の時、堀内は急に保健室に乱入してきた。その後、クラスメイトの城ヶ崎が泣いていた。堀内に体を(まさぐ)られたらしい。これが原因で城ヶ崎は女尊男卑な態度をとるようになったとか。堀内はどれだけ先生に注意されても直りようがなく、皆は彼を嫌うようになった。藤木も堀内から何度か被害を受けた。邪魔だと急に突き飛ばされたり、給食当番や掃除当番の代わりを押し付けられたり、宿題をやらされたり・・・。しかし、必ずではないが笹山が慰めてくれた。もし笹山に会わなければ不登校になっていたかもしれない。

 そして、3年生となり、堀内とはクラスが別れた。藤木と笹山は同じ4組となった。
「藤木君、また一緒のクラスだね。宜しくね」
「う、うん・・・宜しく」
 藤木はまた笹山とクラスメイトになれて嬉しかった。

 藤木は笹山との日々で物思いに耽っていた。
(それで今、リリィが転校してきて、今、僕の前には好きな子が二人いる事になっている・・・。どうしよう・・・)
「藤木君、どうしたの?」
 リリィが心配そうに聞いてきた。
「あ、ちょっと、ボーっとしてたんだ!」
 その時、堀内がものすごい勢いで入ってきた。
「おいテメエ、さっきはよくも調子こいでくれたな!!」
「わ、わーっ!!」
 藤木は慌てて後ろのドアから廊下へ逃げた。
「逃げんじゃねえ、卑怯者!!」
 堀内は反対のドアから廊下を出て追う。藤木がずっこけた。堀内が勢いをつけて蹴りを入れる。
「なめてんじゃねえぞ!!」
 藤木が目を(つぶ)る。その時誰かの声がした。
「やめて!!」
 藤木が目を開けた。蹴られたのは藤木ではなく、彼を庇った笹山だった。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ